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デジコン編集部 2026.9.1

ティー・アイ・トレーディング、スイス製の可搬式止水堤「BEAVER Dam」を販売開始。土のう6,500袋分を5人・1時間で構築、繰り返し使える洪水防護へ

CONTENTS
  1. 強雨は約1.5倍に増加。土のうの「積む・運ぶ・捨てる」が現場に残る
  2. 充填した水の自重で自立するBEAVER Dam。使用後は水を抜いて再利用
  3. 受注生産で納期は2〜3カ月。次の出水期に向けた計画的導入を支援
産業安全機器の専門商社であるティー・アイ・トレーディングは、スイスの洪水・浸水防護システムメーカーと代理店契約を締結し、可搬式止水堤「BEAVER Dam」および可搬式止水バリア「LENOIR Water Barrier」の取り扱いを開始した。

スイス本社での技術研修を修了し、実機を国内に配備したことから、9月1日の「防災の日」を前に、重要施設・工場・自治体向けの提供とデモンストレーションの受付を始める。

強雨は約1.5倍に増加。土のうの「積む・運ぶ・捨てる」が現場に残る


国土交通省の『水害レポート2024』によると、時間雨量50mmを超える短時間強雨の年間発生回数は、1976〜85年平均の226回から、2015〜24年平均の334回へと約1.5倍に増加している。

河川からの越水だけでなく、市街地の排水能力を超えて発生する内水氾濫のリスクも高まっている。

一方で、現場の一次的な備えは、依然として土のうと固定式止水板が中心だ。

土のうは資材そのものは安価であるものの、運搬・積み上げの人手や雨中の作業時間、使用後の土砂の処分といった負荷が毎回発生する。

そこで同社は、「現場が繰り返し運用できるか」を基準に、繰り返し使えるモバイル洪水防護システムの取り扱いを決めた。

充填した水の自重で自立するBEAVER Dam。使用後は水を抜いて再利用


主力製品の「BEAVER Dam」は、水を防ぐ資材でありながら、設置には水を使うのが特徴だ。

地面に広げて空気で形を作り、給水すると、充填された水の自重で要素同士が押し合い、そのまま固定される。


ストラップや地中アンカーによる固定を必要としない構造である。

メーカーの技術データシートによれば、延長100m・防護高80cmの止水ラインを、約5人・約1時間で構築できる。

同じ防護ラインを土のうで築く場合、6,500袋以上を詰めて運び、積み上げる作業が必要になるという(同社試算)。

しかも使用後は水を抜いて回収でき、土砂の廃棄処理が発生しない。

標準型式の最大防護水位は50cm・80cmで、アドオン要素の併用で80cm・130cmまで対応する。

もう一つの「LENOIR Water Barrier」は、折り畳んだバリアを広げて水を流し込むと、水圧そのものが壁を押し上げて自立する製品だ。

防護高35cmの型式は2人で運搬でき、突発的な浸水への初動のほか、消火用水の貯留にも使われている。

両製品はいずれも、欧州洪水防護協会(EVH)の認証を取得しており、適切な保守のもとで20〜25年の再利用を想定しているという。

受注生産で納期は2〜3カ月。次の出水期に向けた計画的導入を支援


同社はスイス本社で技術研修を修了し、製品構造や設置手順、保守・補修の方法について直接指導を受けている。

実機は国内に配備済みで、納品を待たずに構造・重量・設置手順を確認できるほか、水を充填した際の重量や安定性、補修方法までを実物でデモできる。

ただし本製品は受注生産のため、納期の目安は発注から約2〜3カ月だ。

同社は、現在降っている雨への即日対応を約束するものではなく、次の出水期に向けた計画的な設備導入を支援するとしている。

そのうえで、日本の重要インフラと地域を守る新たな選択肢として提案していく方針だ。






WRITTEN by

デジコン編集部

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