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デジコン編集部 2026.8.13

戸田建設ら、「ペンローズタイル型音響パネル」で環境デザイン賞を受賞。吸音の先へ、音響拡散を建築部材として実装

CONTENTS
  1. 吸音の先にある「音響拡散」へ。空間の質を高める新たな一手
  2. 同じ模様が繰り返さない幾何学形状を応用。低音域の拡散も補完
  3. 小会議室での実証を経て「TODA BUILDING」へ。3者連携で実装まで
戸田建設は、東京大学、日の出工芸(北海道釧路市)と共同で取り組んだ「ペンローズタイル型音響パネルの開発と実物件への適用」により、「2025年度 日本騒音制御工学会 環境デザイン賞」を受賞したと発表した。

同賞は、音・振動環境の改善に優れた業績を対象に贈られるものである。

吸音の先にある「音響拡散」へ。空間の質を高める新たな一手


ホールや会議室、多目的空間では、単に騒音を抑えるだけでなく、音の聞こえやすさや響き方まで含めた計画が、空間の価値向上につながる。

音環境設計の基本である「吸音」は、空間の質を左右する要素として、実務のなかで広く浸透が図られてきた。

今回の取り組みは、その吸音の重要性を改めて示すとともに、これまで本格的な導入が難しかった「音響拡散」まで一歩踏み込んで包含した点に特徴がある。

同じ模様が繰り返さない幾何学形状を応用。低音域の拡散も補完


今回受賞した技術は、同じパターンが繰り返されない「非周期構造」でありながら、規則性と意匠性を備えた「ペンローズタイル」の幾何学形状を応用したものだ。

これを壁面に用いることで、高い音響拡散性能を持たせている。

音を吸収するだけでなく適切に拡散させることで、平行な壁を持つ矩形空間で生じやすい「フラッターエコー(音の往復反射)」を抑えつつ、豊かな響きも確保できる。

さらに実用化にあたっては、有孔板の吸音機構を組み合わせ、低音域の拡散不足を補完した。

音響拡散の考え方を、実建築の意匠・施工条件と両立させながら、具体的な建築部材として実装した点が評価され、受賞に至っている。

小会議室での実証を経て「TODA BUILDING」へ。3者連携で実装まで


本技術は、小会議室での実証により効果を確認したのち、TODA BUILDING4階の「TODA HALL & CONFERENCE TOKYO」にある2つのホールに適用された。

適用にあたっては、東京大学佐久間研究室が音響理論・解析を担い、戸田建設がデザイン決定や音響設計、効果確認、実装を担当。

そして日の出工芸がパネル製作を手がけた。

理論・設計・製作・実装を一体で進める3者の連携により、実物件への適用までつなげた。

戸田建設は今後も、吸音をはじめとする音環境の改善を進めるとともに、用途や空間条件に応じた、より質の高い音環境の実現に取り組む方針だ。



WRITTEN by

デジコン編集部

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