熊谷組は、河道閉塞の応急復旧を遠隔操作で行うロボットシステムを、実際の被災地に持ち込んで実証したと発表した。
令和6年能登半島地震で河道閉塞が起きた河原田川の市ノ瀬地区で、排水ポンプの設置などの応急復旧作業を行う初の試験だ。
このシステムは、内閣府と科学技術振興機構(JST)が推進するムーンショット型研究開発事業のプロジェクトの一環として開発されたものだ。
ヘリコプターで分解せずに運搬できる小型の建設機械を遠隔操作し、土砂崩れなどで生じた河道閉塞を応急的に復旧する。

今回、同システムを実際の災害現場に搬入して実証試験を行ったのは、初めての取り組みだという。
試験の舞台となった河原田川の市ノ瀬地区は、堆積した土砂によって走行性(トラフィカビリティ)が著しく低下した、極めて軟弱な地盤だった。
加えて、二次災害のリスクを伴う不安定な水際での作業が求められるなど、過酷な条件下にあった。
こうした現場に本システムを投入し、遠隔操作によって水中に排水ポンプを安全かつ迅速に設置する一連の応急復旧作業を検証した。
そもそも河道閉塞が発生すると、せき止められた湛水池の水位上昇による決壊を防ぐため、迅速な強制排水や仮排水路の設置が求められる。
従来は、作業員が1.2〜1.4m³級の大型建設機械に搭乗し、直接操作する手法が主流だった。
しかし、災害の発生直後は資機材の運搬ルートが寸断されていることが多く、大型建機をヘリで空輸するには機体の分解・組立が必要となり、迅速な初動対応が難しかった。

また、建機が排水ポンプを吊りながら不安定な水際の斜面に近づく作業や、潜水士が水中でワイヤーを切り離す作業など、二次災害の危険を伴う過酷な作業も課題となっていた。
こうした課題に対し、本システムは大きく3つの技術的特徴を備えている。
一つ目は、遠隔操作式の小型建設機械の採用だ。
ヘリで分解せずに運べる質量3トン未満の油圧ショベルと不整地運搬車を用い、油圧ショベルにはアタッチメントとして「ロータリーフォーク」を搭載している。

チルト機構と全旋回機構を備えているため、災害現場特有の不安定な地盤で建機や資機材が傾いた状態でも、対象物を確実につかんで自在に動かせる。
二つ目は、超軽量の「走行路補強マット」の開発である。
堆積土砂の上では地盤が軟弱で、建機のクローラが沈み込んで走行できなくなる恐れがある。
そこで、合成繊維の織物を素材とし、内部に塩ビ管を挿入した構造のマットを開発した。
従来の敷鉄板と比べて重量は約24分の1と非常に軽く、それでいて確実な走行路を確保できる。
ロール状に巻いて不整地運搬車で運び、油圧ショベルで展開しながら容易に敷設できる。
三つ目は、作業半径を広げる安全な排水ポンプの設置機構だ。
遠隔操作でフレームに固定した排水ポンプを、敷設済みのマット上に荷卸しし、ホースや電源ケーブルを展開する。
その後、ポンプを載せたフレームの後方に別の延長用フレームを連結することで、小型建機の作業半径を物理的に広げる。
これにより、建機が危険な水際に近づくことなく、後方からフレームを押し出して水中に排水ポンプを安全に設置できるようになった。
今回の実証では、初動対応の迅速化、作業員を二次災害のリスクから守る安全性の向上、そして軟弱地盤や傾斜地でも確実に施工できることの3点を確認したという。
熊谷組は今後、得られたデータや成果を踏まえてシステムのさらなる高度化を進め、災害発生時の早期展開と社会実装の実現を目指すとしている。
令和6年能登半島地震で河道閉塞が起きた河原田川の市ノ瀬地区で、排水ポンプの設置などの応急復旧作業を行う初の試験だ。
能登の被災地で初の実証。遠隔操作で水中に排水ポンプを設置
このシステムは、内閣府と科学技術振興機構(JST)が推進するムーンショット型研究開発事業のプロジェクトの一環として開発されたものだ。
ヘリコプターで分解せずに運搬できる小型の建設機械を遠隔操作し、土砂崩れなどで生じた河道閉塞を応急的に復旧する。

今回、同システムを実際の災害現場に搬入して実証試験を行ったのは、初めての取り組みだという。
試験の舞台となった河原田川の市ノ瀬地区は、堆積した土砂によって走行性(トラフィカビリティ)が著しく低下した、極めて軟弱な地盤だった。
加えて、二次災害のリスクを伴う不安定な水際での作業が求められるなど、過酷な条件下にあった。
こうした現場に本システムを投入し、遠隔操作によって水中に排水ポンプを安全かつ迅速に設置する一連の応急復旧作業を検証した。
ヘリで運べる3トン未満の建機、敷鉄板の24分の1という軽量マット
そもそも河道閉塞が発生すると、せき止められた湛水池の水位上昇による決壊を防ぐため、迅速な強制排水や仮排水路の設置が求められる。
従来は、作業員が1.2〜1.4m³級の大型建設機械に搭乗し、直接操作する手法が主流だった。
しかし、災害の発生直後は資機材の運搬ルートが寸断されていることが多く、大型建機をヘリで空輸するには機体の分解・組立が必要となり、迅速な初動対応が難しかった。

また、建機が排水ポンプを吊りながら不安定な水際の斜面に近づく作業や、潜水士が水中でワイヤーを切り離す作業など、二次災害の危険を伴う過酷な作業も課題となっていた。
こうした課題に対し、本システムは大きく3つの技術的特徴を備えている。
一つ目は、遠隔操作式の小型建設機械の採用だ。
ヘリで分解せずに運べる質量3トン未満の油圧ショベルと不整地運搬車を用い、油圧ショベルにはアタッチメントとして「ロータリーフォーク」を搭載している。

チルト機構と全旋回機構を備えているため、災害現場特有の不安定な地盤で建機や資機材が傾いた状態でも、対象物を確実につかんで自在に動かせる。
二つ目は、超軽量の「走行路補強マット」の開発である。
堆積土砂の上では地盤が軟弱で、建機のクローラが沈み込んで走行できなくなる恐れがある。
そこで、合成繊維の織物を素材とし、内部に塩ビ管を挿入した構造のマットを開発した。
従来の敷鉄板と比べて重量は約24分の1と非常に軽く、それでいて確実な走行路を確保できる。
ロール状に巻いて不整地運搬車で運び、油圧ショベルで展開しながら容易に敷設できる。
危険な水際に近づかず施工。早期展開と社会実装を目指す
三つ目は、作業半径を広げる安全な排水ポンプの設置機構だ。
遠隔操作でフレームに固定した排水ポンプを、敷設済みのマット上に荷卸しし、ホースや電源ケーブルを展開する。
その後、ポンプを載せたフレームの後方に別の延長用フレームを連結することで、小型建機の作業半径を物理的に広げる。
これにより、建機が危険な水際に近づくことなく、後方からフレームを押し出して水中に排水ポンプを安全に設置できるようになった。
今回の実証では、初動対応の迅速化、作業員を二次災害のリスクから守る安全性の向上、そして軟弱地盤や傾斜地でも確実に施工できることの3点を確認したという。
熊谷組は今後、得られたデータや成果を踏まえてシステムのさらなる高度化を進め、災害発生時の早期展開と社会実装の実現を目指すとしている。
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