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デジコン編集部 2026.8.6

Malmeと名古屋の矢作建設工業、建設DXの共同開発プロジェクトを始動。熟練者のノウハウを蓄積し、生成AI活用のデータ基盤を構築へ

CONTENTS
  1. 現場に入り込み、課題抽出から実装まで一体で。人手不足下のDXを加速
  2. 熟練者のノウハウを生成AIへ。パンウォール工事の情報集約と積算支援
  3. グループ会社の基幹システムも刷新。土木部門から全社へ水平展開
矢作建設工業(愛知県名古屋市)と、土木業界向けの建設DXサービスを手がけるMalmeは、矢作建設の建設DXを推進する共同開発プロジェクトを開始したと発表した。

2026年6月に締結した資本業務提携に基づくもので、各業務に分散したデータや熟練者のノウハウを整理・蓄積し、AI活用に向けたデータ基盤づくりに着手する。

現場に入り込み、課題抽出から実装まで一体で。人手不足下のDXを加速


建設業界では人手不足が深刻化しており、限られた人員で安全と品質を確保しながら事業を継続していくうえで、デジタル技術を活用した生産性向上が重要な課題となっている。

矢作建設は、2026年5月に策定した中期経営計画(2026年度〜2030年度)において、DX戦略として「ICT基盤の構築・活用による付加価値創出と生産性向上」を掲げ、「外部ベンダーとの連携による生産システムの刷新・定着」を重点施策に位置付けている。

一方で、DXを加速するには、推進体制や専門人材の強化に加え、継続的な改善とノウハウの社内蓄積を可能にする仕組みづくりが課題となっていた。


今回のプロジェクトでは、Malmeのエンジニアが矢作建設の土木部門の業務現場に入り、課題の抽出からシステムの開発・実装までを一体で進める。

MalmeのAI技術やデータ活用の知見、システム開発力を生かし、リードタイムの短縮や業務品質の向上を通じて、矢作建設の生産性向上と付加価値の創出につなげる考えだ。

熟練者のノウハウを生成AIへ。パンウォール工事の情報集約と積算支援


現在、両社は3つの共同開発に取り組んでいる。

一つ目は、矢作建設が独自に開発した地山補強土工法「パンウォール工法」による工事を対象とした、情報プラットフォームの構築だ。

これまで部署ごとに管理していた案件情報や図面、積算データを一つのシステムに集約し、各段階での作業量を削減するとともに、情報共有と意思決定の迅速化を図る。

今後は、一元管理の対象をパネル製造や施工の段階まで広げ、蓄積したデータを活用した類似案件の検索や受注分析といったAI機能の追加も予定している。

二つ目は、同じくパンウォール工事の積算業務における生成AIの活用である。

積算業務は工事ごとに現場条件が異なるため、熟練者の経験に基づく判断が必要となる。

そこで、熟練者がこれまで培ってきた判断の考え方を生成AIに学習させ、複数の積算案を提示することで、精度を保ちながら意思決定に要する時間を短縮する。

熟練者の判断結果を継続的に蓄積・活用することで、システムの精度も高めていくという。

グループ会社の基幹システムも刷新。土木部門から全社へ水平展開


三つ目は、グループ会社の基幹業務システムの構築だ。造園・環境整備事業を手がけるグループ会社のヤハギ緑化をモデルケースに、見積・受注情報や工事台帳データなどを一元管理するシステムの構築に着手した。

これまで分散していた工事データを集約することで入力作業の負荷を軽減し、決裁状況や原価率などを速やかに確認できる仕組みを整える。

今後は、他部門やグループ会社への展開も見据え、汎用性の高いシステムとして整備を進める。

両社は、これらの共同開発を着実に進め、開発したシステムの実運用と継続的な改善に取り組む方針だ。

そこで得られたノウハウは、まず矢作建設の土木部門全体へ水平展開し、その後、他部門やグループ会社へと広げることで、グループ全体の建設DX推進につなげる。


WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

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