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デジコン編集部 2026.8.5

ニューブレクスと神戸大、光ファイバで地下空洞を可視化する共同研究成果を確認。道路陥没など「浅部地下リスク」の早期把握へ

CONTENTS
  1. 地表の光ファイバで「常時微動」を捉え、地下の異変を映し出す
  2. 深さ約10m・幅約2mのトンネルを検出。既知の深度ともほぼ一致
  3. 汎用の光ファイバ芯線でも計測可能。低コストでの普及に道
ニューブレクス(兵庫県神戸市)は、神戸大学大学院工学研究科の鍬田泰子教授研究グループとの共同研究で、光ファイバを使って地下空洞のリスクを可視化する技術の検証成果を確認したと発表した。

老朽化した下水道管路などに起因する道路陥没や地盤のゆるみといった、社会的影響の大きい維持管理課題の早期把握につなげる狙いだ。

地表の光ファイバで「常時微動」を捉え、地下の異変を映し出す


両者が検証を進めているのは、「浅部地下リスク可視化」と名付けられた技術コンセプトだ。

地表に設置した光ファイバを使い、DAS(Distributed Acoustic Sensing=分布型音響センシング)と呼ばれる手法で計測する。

DASは、光ファイバに沿って生じる振動やひずみ速度を連続的に計測する技術である。


このDASによって、人や車両の往来、雨や風などに由来し、地盤中に常時存在する微小な振動、いわゆる常時微動を長時間計測する。

そのうえで、地下空洞があると生じる局所的な振動応答の異常を抽出し、地中の異変を可視化するという仕組みだ。

ニューブレクスはこの技術を、下水道管路や道路下の空洞、管路周辺地盤のゆるみなど、浅い地下に潜むリスク候補の把握に役立つものと位置付けている。

深さ約10m・幅約2mのトンネルを検出。既知の深度ともほぼ一致


予備試験は、神戸大学構内に実在する地下トンネルを対象に行われた。このトンネルは、地表面下およそ10mに位置し、幅約2m・高さ約2mの馬蹄形の断面をもつ構造だ。

研究グループは、地表に2次元的に配置した光ファイバで夜間9時間にわたって常時微動を計測し、地震波干渉法を適用することで、トンネルの位置に対応する異常成分を抽出した。


具体的には、周囲と異なる局所的な振動応答を「異常指標(Anomaly Index)」として取り出し、各計測ライン上の異常点を平面的に並べることで、地下空洞の位置や走行方向、幅に相当する情報を確認したという。

さらに、有効周波数10〜15Hzと、地震波干渉法から推定したS波速度228m/sをもとに深さ9.3mを算出したところ、既知の深度である約10mとほぼ整合する結果を得た。

幅約2mというトンネルを捉えた今回の解析では、1m級という高い空間分解能が、異常箇所を明瞭に抽出するうえで効いていることも確認された。

汎用の光ファイバ芯線でも計測可能。低コストでの普及に道


今回の試験で注目されるのが、導入コストの低減に向けた検証だ。

ニューブレクスは、自社製のひずみ計測用エンボスケーブルに加え、汎用の光ファイバ芯線や、通信用として敷設されながら使われていない「ダークファイバ」でも計測を試みた。

その結果、光ファイバ芯線でも、専用のエンボスケーブルと同様に、この計測法に有効な信号が得られることを確認したという。

光ファイバ芯線は廉価で施工性にも優れるため、大規模な現場への適用では実用的な価値が高いと見込まれる。

一方、今回用いたダークファイバでは信号の劣化が目立ち、本計測法には適さないことが示された。

ニューブレクスは、専用ケーブルによる信頼性の高い計測を基本としつつ、現場やコストの条件に応じて、光ファイバ芯線を含む柔軟な導入モデルも検討していく考えだ。

今後は、インフラ管理者との実フィールドでの検証を通じて、水道・下水道管路や送水トンネル、道路下空洞、管路周辺地盤のゆるみなどへの適用可能性を評価する。






WRITTEN by

デジコン編集部

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