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デジコン編集部 2026.7.13

大成建設が機械学習AIによるシールドマシン自動運転技術を鹿児島で実証。20現場・延べ33,000mの施工データを学習したAIが30台のジャッキを自律制御

CONTENTS
  1. 曲線・勾配区間でもリアルタイム最適制御。センサーデータからAIが30台のジャッキ配分を予測し目標線形へ追従
  2. 20現場・33,000mの実データで水平・垂直各400パターンの多様化モデル構築。1リング毎の再学習で施工条件変化にも即応
  3. 熟練者不足への対応と技能継承の可視化を両立。切羽圧・排土量・裏込め注入との「総合自動運転」へ拡張
大成建設は、過去20現場・延べ約33,000mの実施工データを活用した機械学習AIによるシールドマシン自動運転技術を開発し、「鹿児島東西道路シールド工事」(発注者:国土交通省九州地方整備局)で実証した。

熟練オペレータに頼ることなく高精度な方向制御と安定した掘進を実現し、シールド工事における施工品質の平準化と省人化を実現する。

曲線・勾配区間でもリアルタイム最適制御。センサーデータからAIが30台のジャッキ配分を予測し目標線形へ追従


シールド工法によるトンネル工事では、余掘りの防止・シールドマシン蛇行防止・セグメント破損防止のため、熟練オペレータがマシンの姿勢・方向制御を細かく調整する。

しかし従事者減少・高齢化に伴い、熟練者に頼らない安定掘進の実現が急務となっていた。

大成建設が開発した自律型掘進制御システムは、掘進中に各種センサーから得られるデータ(シールドマシンの方向・中折れ角・カッターに掛かる土水圧・総推力など)をAIに取り込み、目標線形に沿った掘削を行うための左右・上下の力点位置を予測する仕組みだ。


蓄積されている過去の運転モデルから最適な運転モデルを選定し、ジャッキを制御(外径11mのマシンの場合30台のジャッキ制御)することでマシンを目標線形へ高精度に追従させる。

20現場・33,000mの実データで水平・垂直各400パターンの多様化モデル構築。1リング毎の再学習で施工条件変化にも即応


これまでに施工したシールド工事20現場・延べ約33,000mの実施工データを教師データとして機械学習させ、水平・垂直方向にそれぞれ400パターンの「多様化モデル」を準備した。


施工時はそれらの中から最適な運転モデルを選定するとともに、1リング組み立てごとの評価・再選定による「即時対応」を可能にしている。

自動運転での予測精度は、AIが推奨する力点位置の予測誤差で半径の4%以下、到達予測座標の誤差で3mm以下を目標性能値として設定し、鹿児島東西道路シールド工事(外径11.34m・延長2.3km・右700mRの曲線区間、上り勾配1.47%)での実証を通じて、いずれも目標値内の誤差で安定した掘進が可能であることを確認。

熟練者不足への対応と技能継承の可視化を両立。切羽圧・排土量・裏込め注入との「総合自動運転」へ拡張


期待される効果は3点だ。熟練技能者への依存度を低減して施工品質の平準化を実現し、切羽圧・マシンの推力・裏込め注入などの適正管理データと連携した掘進状態のリアルタイム最適制御で安全性と生産性を向上させる。

また現場データに基づく制御判断を可視化することで、経験の浅い技術者・技能者の育成や技能継承にも貢献する。

今後は曲線施工や重要構造物近接施工など難条件区間への展開を進め、将来的には切羽圧・排土量・裏込め注入の最適化を図る「総合自動運転」への拡張を目指す方針だ。





WRITTEN by

デジコン編集部

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