- 「令和8年度NETIS推奨技術等」全24技術。過去最多選定数の意義
- 材料・防食技術カテゴリ
- 道路・路面標示カテゴリ
-
ICT施工・3D測量カテゴリ
- 10. 固化材含有量計測システム「e-セメダス」(KT-210023-VE)/大林組(共同開発:立花マテリアル)
- 11. 地盤改良施工支援システム「Tarpos 3D」(KTK-200015-VE)/ 西尾レントオール(共同開発:不動テトラ)。
- 12. 鋼橋CIMシステム「CIM-GIRDER」(KK-200014-VE)/ オフィスケイワン
- 13. 溶接部ビード計測用3Dハンディスキャナ「CSM-HSシリーズ」(KK-200009-VE)/ コムビック
- 14. 3Dマシンガイダンス「E三・S(イーサン・エス)」(TH-160014-VE)/ 佐藤工務店
- 15. ICT技術を活用したエポコラム工法(epo-Live)(QS-210069-VE)/ エポコラム協会
- 16. パワーブレンダー工法(ICT施工)(QS-210068-VE)/パワーブレンダー工法協会(技術開発:加藤建設)
- 17. ICT対応型スラリー揺動撹拌工「WILL-i工法」(QS-210018-VE)/ 新日本グラウト工業(技術開発:WILL工法協会)
- 地盤改良・基礎工事カテゴリ
- 安全・防災・その他カテゴリ
「令和8年度NETIS推奨技術等」全24技術。過去最多選定数の意義
国土交通省は令和8年4月27日、大臣官房技術調査課および大臣官房公共事業調査室から「令和8年度推奨技術等」として計24技術を選定したと発表した。
内訳は、推奨技術19技術、準推奨技術4技術、評価促進技術1技術である。推奨技術の選定数は昨年に引き続き過去最多となった。
NETIS(新技術情報提供システム)とは、国土交通省が運用している新技術に係る情報を共有および提供するためのデータベースだ。
国土交通省では、NETISに登録された新技術の中から、外部有識者の審査を経て、画期的な新技術を有用な新技術として選定している。
「推奨技術」は公共工事等に関する技術の水準を一層高めるために選定された画期的な新技術であり、令和8年度は32件の継続選定に加え今回19技術が選ばれた。
「準推奨技術」は、推奨技術と位置づけるためにはさらなる発展を期待する部分がある新技術であり、今回4技術が選ばれた。
「評価促進技術」は、公共工事等に関する技術水準等を高めることが見込める技術であり、今回1技術が選ばれた。
本記事では、令和8年度に新たに選定された全24技術を5つのカテゴリに分けて紹介していく。
材料・防食技術カテゴリ
1. 高防食耐久性塗料「ダンジオーラE下塗」(CG-250006-A)/日本ペイント
塩害地域における鋼構造物の塗替え塗装を想定した高遮断設計とさび面適正設計を兼ね備えた下塗り塗料である。
塗膜遮断性が一般品より約10倍高く、鉄の減耗量が約1/40となり、理論上約40倍の防食性を有する。さび面に対しても約3倍の防食性が確認されており、橋梁補修工事等に採用されている。2. コンクリートキャンバス工法(CG-220009-VE)/太陽工業
特殊配合のドライコンクリートを立体織物に封入したシート材料(ジオシンセティックセメント複合マット)を施工箇所に敷設後、水をかけるだけでコンクリートが硬化する工法だ。

型枠や大規模な打設設備を必要とせず、河川・水路・法面など従来工法では施工困難であった箇所にも対応可能である。水中でも硬化可能であり、災害復旧や応急対策工事への適用性が高い。
3. グラストップSLタイプ(CB-190013-VE)/マックストン
雑草抑止シートと軽量のモルタル平板を一体化させた防草・法面表層保護工法である。平板はフレキシブル性を有しており、多少の起伏や曲面があっても施工面になじむ特性がある。

重機を必要としないため、高架下など狭小地の現場でも人力施工が可能だ。紫外線劣化や燃焼物による延焼も防止できる。
4. ロービングウォールⅡ(KT-180143-VE)/ ライト工業
砂と安定化材の混合物の中に長繊維を強制的に混入した土構造物と、植生基材吹付工で緑化する2種類からなる工法の一体施工方法だ。
長繊維の搬送には高精度給糸装置を用い、安定した品質の長繊維混入補強土を造成する。鉄筋組み立て作業が不要となり、省力化・経済性の向上が図れる。CO2削減など環境保全対策にも貢献する。
5. 循環式ショットピーニング工法(CB-180024-VE)/ヤマダインフラテクノス株式会社。
鋼橋塗替塗装工程において、溶接継手部に圧縮残留応力を付与し疲労強度を向上させる予防保全技術である。

ブラスト用金属系研削材をショットピーニング用特殊鋼球に入れ替えることで、既設鋼橋の溶接継手部にショットピーニングを施工できる。
疲労強度を2等級向上させ、疲労寿命の大幅な延伸を図ることが可能だ。岐阜大学との共同研究により実証されている。
道路・路面標示カテゴリ
6. G-スクライト工法(HK-240021-VE)/北海道技建
道路に施工するラインの位置を、レーザー光により路面へ投影し、瞬時に区画線の所定位置を可視化する技術である。

下書き工程を削減できるため、コストを約21%削減し、工程を約35%短縮することが可能となる。
夜間やトンネル内などの低照度環境下でも安定した施工が可能だ。雪上でも視認性の高い表示が可能なため、除雪作業においても活用できる。
7. ハードラインアクア♯21 MD工法(KT-220235-VE)/アトミクス
自走式ペイントマーカー車に乾燥促進剤散布装置を装着し、路面標示用塗料と2種類の乾燥促進剤(クイックドライ・クイックウォーター)を混合・塗布して施工する工法だ。

一般的な水性ペイント塗料の乾燥時間8〜13分に対し、1〜2分の乾燥時間を実現する。養生および交通規制の時間が削減され、施工性と経済性が向上する。
低温時・高湿度時における乾燥性・耐降雨性も著しく改善される。
8. Jピカオレンジ反射スペーサー(KT-210094-VE)/JFE建材
防護柵ワイヤロープの樹脂間隔材(スペーサー)に、オレンジ色の再帰反射塗装を施した製品である。
従来品は黒色の樹脂であったのに対し、着色および再帰反射機能を追加したことで、昼間はオレンジ色、夜間は白色に反射し昼夜ともに視認性が向上する。ワイヤロープへの車両接触事故の軽減と事故復旧スピードの向上が期待できる。
9. 直流給電方式トンネルLED照明(CG-170008-VE)/ 星和電機
トンネルLED照明器具に電源ユニットを内蔵せず、直流電源装置に内蔵した電源ユニットから直流給電方式で点灯・調光制御するシステムである。

電源ケーブルの小径化、調光制御用ケーブルのレス化により配線コストの大幅な削減が可能だ。
電源ユニットを直流電源装置に一括収納することによりメンテナンスが容易になり、トンネル照明設備の電力費・維持費も削減できる。
ICT施工・3D測量カテゴリ
10. 固化材含有量計測システム「e-セメダス」(KT-210023-VE)/大林組(共同開発:立花マテリアル)
セメント系または石灰系固化材を用いた地盤改良工事の品質管理システムだ。
酸と固化材の反応に伴う反応熱を利用した「酸溶解熱法」を応用し、現場で安全かつ短時間に固化材含有量を計測可能である。

測定結果は通常約3分で得ることができ、施工不良の早期発見が可能となる。手戻りや再施工リスクの低減に寄与する。
11. 地盤改良施工支援システム「Tarpos 3D」(KTK-200015-VE)/ 西尾レントオール(共同開発:不動テトラ)。
GNSSから杭芯の2次元および3次元位置情報を取得し、平面位置+3次元表示で杭芯を誘導する地盤改良システムである。
水平方向の視認性が向上することで、手戻りのない精度の高い誘導が可能となる。オペレータの技量や経験に関係なく容易に操作でき、ICT地盤改良工にも適用できる。12. 鋼橋CIMシステム「CIM-GIRDER」(KK-200014-VE)/ オフィスケイワン
鋼橋上部工を対象に3次元モデルによる設計照査・施工管理の一体化を実現するCIMシステムだ。

数値入力により主構造と付属物の3次元モデルを自動生成(詳細度300〜400)する。
モデリング業務の効率化により経済性が54%向上し、専用画面による操作性向上により工程が80%短縮される。i-Construction2.0の推進に対応した技術である。
13. 溶接部ビード計測用3Dハンディスキャナ「CSM-HSシリーズ」(KK-200009-VE)/ コムビック
レーザ光をあてるだけで溶接ビードの断面を非接触で計測・記録できる現場支援ツールである。計測時点でデジタルデータとなり、書き間違いなどの人的ミスを防止できる。
すべてタイムスタンプ付きデータでありデータ捏造などの不正を排除でき、作業者の技能による結果の相違が少なく再現性が高い。鉄鋼構造物のモジュール加工や施工現場における溶接ビードの品質確認に活用される。
14. 3Dマシンガイダンス「E三・S(イーサン・エス)」(TH-160014-VE)/ 佐藤工務店
TS用耐衝撃プリズムをバケット端部に直接取り付けた、シンプルで高精度な3Dマシンガイダンスである。

耐衝撃全周囲プリズム付バケット勾配目視装置と自動追尾トータルステーションから構成される。
現場で使い慣れているバックホウや自動追尾型TSを使用し、初期導入費用を抑えて3DMGの導入が可能だ。掘削、法面整形、整地、敷均し作業に適用できる。
15. ICT技術を活用したエポコラム工法(epo-Live)(QS-210069-VE)/ エポコラム協会
ICT対応の深層混合処理工法(エポコラム工法、エポコラムLoto工法)である。情報通信技術を活用し、専用のタブレット端末を用いて遠隔地においてもリアルタイムな施工状況の確認ができる。

低速回転・高トルク工法であり、軟弱地盤だけでなく硬質地盤にも対応可能だ。GNSSシステムの活用により、作業人員による施工機への誘導作業が不要となり省力化が図れる。
16. パワーブレンダー工法(ICT施工)(QS-210068-VE)/パワーブレンダー工法協会(技術開発:加藤建設)
ICT施工管理を導入したトレンチャ式(全層鉛直撹拌方式)の地盤改良工法である。
施工機械にはGNSSアンテナおよび傾斜計測機能を搭載し、施工機位置とトレンチャ下端位置を高精度に把握する。

施工範囲を100mmピッチで細分化した管理ブロックに区分し、改良深度・固化材スラリー吐出量・撹拌回数等を管理する。遠隔施工との親和性も高く、災害復旧や危険区域への適用拡大が期待される。
17. ICT対応型スラリー揺動撹拌工「WILL-i工法」(QS-210018-VE)/ 新日本グラウト工業(技術開発:WILL工法協会)
攪拌装置の先端からスラリー状の固化材を注入しながら、深度13mまでの原位置土と固化材を特殊な専用攪拌翼(リボンスクリュー型攪拌翼)を縦回転することにより強制的に攪拌混合する中層混合処理工法だ。
ICT対応の地盤改良機を用いることにより、省力化が可能である。特殊撹拌翼により均一性の高い良質な改良体の構築および、N値30程度までの砂・砂礫地盤への適応が可能だ。地盤改良・基礎工事カテゴリ
18. SDM-Fit工法(KT-180050-VE)/ ダイナミック工法研究会(技術開発:小野田ケミコ)
二軸式撹拌翼と超高圧ジェット撹拌を併用した複合撹拌型低変位深層混合処理工法である。従来の機械撹拌工法に比べ、大口径の改良体が造成される。

既設構造物や基礎杭、山留壁との密着施工が可能となり、開削工事における底盤改良に有効だ。液状化防止対策工事等の格子状・壁状・ブロック状の改良にも有効である。
Type1〜6のバリエーションがあり、施工規模や改良対象土質に応じて使い分けが可能だ。
安全・防災・その他カテゴリ
19. リフタス(CB-210009-VE)/ 宝機材
既設側溝のコンクリート上部を切断せずに修繕を行う、最速のリニューアル工法である。
既設の蓋よりもひとまわり小さい受枠を入れ子のようにセットし、隙間にグラウト材(無収縮モルタル)を充填することで固定する。

作業工程が短縮でき、即日開放も可能となる。重機を使用せずに人力で施工できるためCO2排出量の削減ができ、環境にも優しい工法である。
20. 冬用タイヤ自動判別システム(SK-190003-VE)/ 西日本高速道路エンジニアリング四国
走行する車両のタイヤトレッド面を高感度カメラで撮影し、AIによる画像解析でスタッドレスタイヤとそれ以外のタイヤを自動判別するシステムだ。

撮影された画像はリアルタイムに解析され、判別結果はモニター表示および無線スピーカーによる音声通知により作業員へ即時に伝達される。
冬用タイヤ規制時のタイヤチェック要員の省人化と作業負担の軽減が可能となり、渋滞緩和に寄与する。
21. 水中据付作業可視化システム(HRK-190002-VE)/ 東洋建設
起重機船を用いた水中据付作業等において、水中の潜水士と吊荷の位置を計測し、移動中の潜水士および吊荷の現在位置と据付位置をモニターに表示して可視化するシステムである。

接近時に注意喚起を行い、据付位置の微調整は水中ソナーのリアルタイム映像で可視化する。
潜水士の挟まれや吊荷の損傷等の接触災害が防止でき、据付精度の向上、作業の効率化および安全性の向上が期待できる。
22. 海上衝突防止支援システム(HRK-170001-VE)/ 東洋建設
海上工事における土運船運搬及び資材運搬・曳航時にレーダーの外部出力信号を利用し、一般航行船舶と自船との衝突防止を支援するため自動でガイダンスを行うシステムだ。

避航指示は、海上衝突予防法に基づき「速度維持」「減速・停止」「右転回避」とする。
捕捉した他船舶に対して自動で避航指示を行うので、避航の判断ミスや遅れといったヒューマンエラーを防止できる。
23. BUウォール工法(KT-170101-VE)/ 前田工繊
割ぐり石や現地発生材等を中詰めした吊りロープ付き繊維製袋体(ボトルユニット)を積層することにより、仮設の土留め構造物や路体構造物を構築する工法である。
袋体は1t〜4tクラスまで規格化されており、クレーンやバックホウにより吊り上げ・設置・撤去が可能だ。杭打設が不要であるため、岩盤地盤や水中施工、災害応急復旧工事といった条件下でも適用可能である。
材料種類が少なく、袋体は繰り返し転用や本設への転用も可能なため、コスト縮減およびリサイクル性の向上が図れる。
24. アクリル止水パネル(KTK-210013-A)/ 東京製綱
高い透明度を持つアクリル板とアルミまたは鋼製枠を組み合わせた、止水パネルによる嵩上げ工法だ。近年の局地的な降雨量の増加や高潮被害に対し、護岸壁の嵩上げによる安全対策に貢献する。

高い透明性により圧迫感を軽減し眺望を維持しつつ、災害時には水面の状況視認による安全確保に寄与する。
部材を工場で製作するため、現場打ちコンクリート工法と比較して施工工程を簡略化し、施工期間を短縮できる。
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