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デジコン編集部 2026.4.7

従来比1/3の低コストで1km・最速150Hzの動的ひずみ計測を実現。鹿島と島根大学が光ファイバ計測器「SensRay」を共同開発

CONTENTS
  1. 「位相雑音補償OFDR」で1kmにわたるひずみ分布を高速・高精度に計測
  2. 老朽化インフラの常時モニタリングに加え、自動運転への活用も視野に
鹿島建設と国立大学法人島根大学は2026年3月31日、インフラ構造物の変状をリアルタイムで捉える新たな光ファイバセンシング計測器「SensRay™(センスレイ)」を産学連携で開発した。

従来製品と比べて導入コストを約1/3に抑えながら、0.2秒間隔(最速150Hz)での動的ひずみ計測という高性能化を同時に実現している。

「位相雑音補償OFDR」で1kmにわたるひずみ分布を高速・高精度に計測


SensRayの核心技術は島根大学伊藤教授が考案した「位相雑音補償OFDR(光周波数領域反射計)」だ。
光ファイバにレーザ光を入力すると生じる「レイリー散乱」の反射光スペクトルがひずみによって変化する性質を利用し、独自のアルゴリズムでレーザ光の位相雑音の影響を除去することで、従来は制限されていた計測距離を1kmまで拡張した。


特殊な光ファイバではなく汎用の光ファイバを使用でき、1μ(ひずみゲージと同等)という小さなひずみから4000μ(鉄筋の降伏ひずみの2倍)という大きなひずみまで、延長1kmにわたって高速かつ安定して計測できる。

実際に橋梁の主桁下端面に光ファイバセンサを敷設し、大型車両走行中のひずみ応答を計測した結果、0.2秒間隔で桁全体にわたるひずみの動的変化を捉えることを確認した。

老朽化インフラの常時モニタリングに加え、自動運転への活用も視野に


光ファイバセンシングは道路や橋梁・河川などのインフラ構造物の状態を長期間・常時・遠隔から確認できるという特性を持つ。

SensRayはアルネアが製作し、アンリツ(神奈川県厚木市)を通じて販売される予定で、低コスト化によって光ファイバセンシング技術の建設・インフラ分野への導入が大幅に容易になると期待される。

鹿島はインフラ構造物の維持管理効率化に加え、道路への適用による自動運転への活用など多方面での展開を見据えている。


WRITTEN by

デジコン編集部

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