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デジコン編集部 2026.3.30

多脚ロボット×LiDAR×AIで下水道管の「減肉」を1cm精度で定量把握。NTTドコモソリューションズ・テムザック・京都府が検証

CONTENTS
  1. 目視点検では捉えられなかった「減肉の深さ」を1cm精度で計測
  2. 過去点検データによる劣化予測では「カーブ部の早期劣化」傾向を裏付け
NTTドコモソリューションズ・テムザック(京都府京都市)・京都府流域下水道事務所の3者は2026年3月26日、2025年4月から12月にかけて実施した下水道管路点検高度化の共同検証結果を発表した。

テムザックが開発した多脚式ロボット「SPD-X」にLiDARを搭載して管内の点群データを取得し、NTTドコモソリューションズ独自のAI技術(特許出願中)で腐食劣化による「減肉」の深さと範囲を定量的に把握することに成功した。

目視点検では捉えられなかった「減肉の深さ」を1cm精度で計測


下水道管路の劣化で特に深刻なのが、硫化水素などにより管壁のコンクリートが化学的に反応・劣化して厚みが失われる「減肉」だ。

外観からは把握しづらく、劣化部分の深さや範囲の見誤りが管の破損や道路陥没事故につながるリスクがある。

今回の検証では、管内の点群データをもとに新設時の管壁形状をAIが推定し、現状との差分を算出することで減肉を定量化する手法を確立。

誤差1cm程度の精度での形状推定が可能であることが確認された。修繕箇所の優先度判断や予防保全の精度向上に直結する成果だ。

過去点検データによる劣化予測では「カーブ部の早期劣化」傾向を裏付け


検証のもう一つの柱が、京都府の蓄積データを使った劣化予測モデルの適用だ。

NTTドコモソリューションズが道路・橋梁分野で展開してきた「混合マルコフ劣化予測ハザードモデル」を下水道分野に適用し、劣化が進みやすい区間の推定と期待寿命の算出を行った。

〈劣化予測結果(管路のカーブからの距離と期待寿命の関係性)〉

その結果、管路のカーブ付近で期待寿命が短い傾向が確認されており、下水道管理者が経験則として感じていた傾向とデータ上でも整合が取れた。

全国約50万kmの下水道管路のうち、2022年時点で約7%が耐用年数(50年)を超えており、2043年にはその割合が約42%に達する見込みとされている中、点検・修繕の優先順位を合理的に判断できる技術基盤の構築は急務となっている。




WRITTEN by

デジコン編集部

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