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デジコン編集部 2026.3.26

ショベルのカメラ映像からヒヤリハットを自動抽出。住友重機械とNECが建設業界初のレポート生成システムを共同開発へ

CONTENTS
  1. 映像認識AIと生成AIを組み合わせ、リスクシーンを自動分類・要約
  2. 2025年9月の技術実証で有効性を確認。2027年度の実用化を目指す
住友重機械工業と日本電気(NEC)は2026年3月25日、油圧ショベルに搭載したカメラ映像とセンサ情報をもとにヒヤリハットを自動抽出し、安全行動を促すレポートを自動生成するシステムの共同開発を2026年4月から開始すると発表した。

建機操作の映像データ蓄積からリスクシーン抽出、ヒヤリハット分析、レポート作成までを一気通貫で実現するシステムは、建設業界では初めての取り組みとなる。

映像認識AIと生成AIを組み合わせ、リスクシーンを自動分類・要約


システムの仕組みはこうだ。まず住友重機械グループのICT/IoT共通基盤「SHICuTe(シキュート)」に蓄積された実現場データを学習した抽出AIが、油圧ショベルのカメラ映像からリスクシーンを自動で検出する。



検出されたリスクシーンと操作情報は、NECが独自開発した映像認識AIと生成AIを組み合わせた技術でマルチモーダルデータとして分析・保存される。

このデータを住友重機械が保有する「危険・禁止行動データ」や企業独自データと照合し、報告すべきリスクシーンを特定のうえ、発生経緯を要約した高品質なヒヤリハットレポートを自動生成する。

2025年9月の技術実証で有効性を確認。2027年度の実用化を目指す


今回の共同開発に先行して、2025年9月には技術実証を実施済みだ。

油圧ショベルに搭載したカメラの動画から、ヒヤリハット事例の抽出とレポート自動生成が可能であることを確認しており、発生しうる事故のケースと経緯を含む報告が行えることも検証されている。

2026年度は技術開発と事業化検証を進め、2027年度の実用化を目指す。

将来的には人と機体の接触リスクだけでなく、作業者が気づいていない不安全状態や現場ごとのルールにも対応できるよう、システムの適用範囲を拡大していく予定だ。

建設業は依然として労働災害が多い業種であり、現場の安全管理のデジタル化は喫緊の課題となっている。

建機メーカーのデータ基盤とITベンダーのAI技術が組み合わさることで、「見落としがちなヒヤリハット」を自動で可視化・共有する仕組みが実現に近づいている。






WRITTEN by

デジコン編集部

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