国土交通省は令和8年2月27日、令和8年度から適用する直轄土木工事・業務の積算基準等の改定内容を公表した。
今回の改定は「第三次担い手3法の全面施行」を踏まえたものであり、担い手確保のための働き方改革・処遇改善、公共工事に従事する者の労働環境の改善、円滑な施工体制の確保を3本の柱として位置づけている。
改定内容は都道府県・政令市に対しても、地方ブロック発注者協議会等を通じて情報提供される予定だ。
直轄工事における試行を通じて、建設業は完全週休2日を含む週休2日が可能な業界であることが確認された。
令和5年度には直轄工事の週休2日実施率(工期全体)が100%に到達している。
これを受け、令和8年度からは「週休2日の取得に要する費用の計上について(試行)」等による試行を完了とし、次のフェーズへ移行する。
今後は地域の実情や現場の状況等に応じた、より多様な働き方の実現を支援していく方針だ。
具体的には以下のような多様な働き方が想定されている。

最新の本社経費の実態を反映し、一般管理費等率が引き上げられる。
河川工事において直接工事費1億円の工事では、一般管理費等率が約1.21%増(約160万円増)となる見込みだ。

国交省は引き続き、適正な利潤が確保されるよう実態調査を継続するとともに、公共工事に従事する者に適正な賃金が支払われるよう、賃金・労働時間等の実態調査の取り組みを強化していくとしている。
現場環境改善費について、実施内容の絞り込みと、熱中症対策・防寒対策への充当強化が図られる。
平成28年度より直轄工事において快適トイレの原則化が実施されてきたが、最新の調査実態を踏まえ、令和8年度から上限額が見直される。

また、更なる現場環境改善の推進の観点から、上限基数が撤廃される(設置基数は現場ごとに必要性を協議の上、決定)。
ハウス型等の場合、入口が別になっている場合に限り、入口別に57,000円/基・月上限まで計上可能となる。
路上工事など常設の作業帯が設けられない工事では、資材基地から現場への移動時間が実作業時間を圧縮する。
令和4年度に調査表の全面見直しを実施した結果、令和7年度の調査ではトンネル工事や砂防工事等においても同様の傾向が確認された。
これを受け、以下の11工種で移動時間を考慮した歩掛改定が令和8年度に反映される。
建設機械を日々回送して使用する工種においても、実作業時間の短縮傾向が確認された。移動式クレーンを日々回送している以下の3工種で歩掛改定が行われる。
建設現場の作業管理として行われている作業休止時間(振動作業対策、腰痛予防対策、熱中症予防対策など)の増加により、実作業時間が短くなる傾向が確認された。
以下の6工種で歩掛改定が行われる。
土木工事標準歩掛の使用にあたって、積算者が適用可否の判断をしやすいように、適用範囲および施工方法などが詳細化される。
また、維持修繕等に関係する工種では小規模施工を考慮した歩掛が新設・改定される。
代表例として、トンネル補修工(断面修復工・左官工法)では施工規模(修復延べ体積)により適用する歩掛を区分し、少量施工の実態を反映した歩掛が設けられる。

大規模災害の被災地では作業効率の低下が実態として確認されていることから、復興事業の円滑化を目的に、各地域で以下の対応が取られる。
石川県(中能登・奥能登地域) 令和6年能登半島地震に対応した復興歩掛を新たに設定。
土工の標準作業量を20%低減、アスファルト舗装工を10%低減。適用時期はR8年4月1日。

岩手・宮城県内 第2期復興・創生期間の終了に伴い復興係数は終了となるが、令和8年度に限り暫定措置として、共通仮設費1.3・現場管理費1.1の補正を猶予適用。

福島県内 第3期復興・創生期間が令和8年度以降も継続されることから復興係数を維持。実態調査の結果を踏まえ、引き下げの猶予を終了し、共通仮設費1.5→1.3、現場管理費1.2→1.1へ移行。

熊本県内 調査結果では他地域との乖離は見られないものの、令和7年8月豪雨災害の影響を注視するため、令和8年度に限り復興係数・復興歩掛の変更を猶予。
ICT施工未経験企業や地方自治体工事を主に受注している企業へのICT技術導入を促すため、小規模工事を対象に新たな枠組みが整備される。
従来の3次元建設機械による施工(全面活用型・ステップアップ型)に加え、新たに以下の「ファーストステップ型」が設けられる。
工事内容に応じてオーバースペックにならない最適な技術を選択することで、小規模工事における現場の省人化を図るとともに、ICT技術の利便性に触れることでステップアップへの誘導も期待されている。
良好な取引が行われたデータの収集が困難になってきているとして、以下の3工種で市場単価方式による単価設定が廃止される。鉄筋工・ガス圧接工は「土木工事標準歩掛」へ移行する。
令和6年度より有用な新技術の現場実装を目的として整備が進められており、令和7年度は新たに10技術の基準類が整備された。
新規整備された主な技術(令和7年度整備分)は以下の通り。

適用時期は令和8年4月1日以降に入札契約手続きを開始する工事。整備した基準類はNETISにて公表予定だ。
実態調査を踏まえ、建設機械等損料算定表が改定される。

全平均では基礎価格が対前回比1.15倍、運転1時間当たり換算値損料が同1.16倍となっている。
実態調査に基づき、以下の業務歩掛が改定される。







また、道路トンネル定期点検業務については実態調査をもとに新規歩掛として策定された。


業務委託の価格転嫁対策を強化するため、令和8年度以降に新規契約する建設コンサルタント業務等からスライド制度(業務スライド)が試行導入される(令和7年12月3日公表済)。
まずはスライド額を適切に算定できる業務(賃金等の変動時の着手済・未着手が明確に確認できる業務)などから適用が開始される。

維持修繕工事における積算等の改善方策として、受発注者アンケート及びヒアリングを踏まえ「維持・修繕工事の適切な積算の実施等に向けた留意事項」がとりまとめられた。
主な内容は以下の通りだ。
令和8年度の積算基準改定は、第三次担い手3法の全面施行を直接の契機とした、包括的な見直しである。
新基準等の適用は、原則として令和8年4月1日以降に入札書提出締切日が設定されるものから適用される。
一般管理費等率の引き上げや快適トイレ上限額の改定は処遇改善に直結し、移動時間・作業休止時間を歩掛に反映する措置は現場の実態に即した積算の実現につながる。
建設ICTの観点では、「導入型ICT活用工事」という新たな枠組みの設定が注目される。
3次元設計データを必要としない2次元マシンガイダンスや、ICT機器を活用した施工効率化が小規模工事にも適用可能となることで、これまでICT施工に踏み出せなかった企業層へのボトムアップが期待される。
また、新技術積算基準類として3Dプリンティングやトモロボなど10技術の基準が新たに整備されたことも、現場でのイノベーション実装を後押しするものだ。
各事業者においては、4月1日以降の入札公告案件への適用を念頭に、自社の積算体制を早期に確認することが求められる。
今回の改定は「第三次担い手3法の全面施行」を踏まえたものであり、担い手確保のための働き方改革・処遇改善、公共工事に従事する者の労働環境の改善、円滑な施工体制の確保を3本の柱として位置づけている。
改定内容は都道府県・政令市に対しても、地方ブロック発注者協議会等を通じて情報提供される予定だ。
1. 担い手確保のための働き方改革・処遇改善
1-1. 多様な働き方の実現に向けた支援
直轄工事における試行を通じて、建設業は完全週休2日を含む週休2日が可能な業界であることが確認された。
令和5年度には直轄工事の週休2日実施率(工期全体)が100%に到達している。
これを受け、令和8年度からは「週休2日の取得に要する費用の計上について(試行)」等による試行を完了とし、次のフェーズへ移行する。
今後は地域の実情や現場の状況等に応じた、より多様な働き方の実現を支援していく方針だ。
具体的には以下のような多様な働き方が想定されている。
- 週休2日としての働き方
- 気候(猛暑対策等)を踏まえた働き方
- 変形労働時間制を適用した柔軟な働き方
- ICT・DX等を活用した効率的な働き方
- 担い手の多様化に合わせた働き方

【 猛暑対策サポートパッケージ 】
多様な働き方の実現に向けた取り組みの一環として、「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」に基づく支援も実施される。主な施策・取組の内容は以下の通りだ。
猛暑期間・時間の作業回避
猛暑対策に必要な経費等の確保
多様な働き方の実現に向けた取り組みの一環として、「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」に基づく支援も実施される。主な施策・取組の内容は以下の通りだ。
猛暑期間・時間の作業回避
- 猛暑日(WBGT値)を考慮した工期設定
- 猛暑期間を休工可能とする工事発注の試行工事を新規実施
- 猛暑期間における現場施工回避の協議を特記仕様書に明記(新規)
- 作業の開始・終了時間の柔軟な設定
- 1年単位の変形労働時間制の活用に向けた関係者との連携(新規)
猛暑対策に必要な経費等の確保
- 現場管理費・現場環境改善費での熱中症対策費用の計上
- 実態に応じた熱中症対策費用の確保(新規)
1-2. 一般管理費等率の改定
最新の本社経費の実態を反映し、一般管理費等率が引き上げられる。
河川工事において直接工事費1億円の工事では、一般管理費等率が約1.21%増(約160万円増)となる見込みだ。

国交省は引き続き、適正な利潤が確保されるよう実態調査を継続するとともに、公共工事に従事する者に適正な賃金が支払われるよう、賃金・労働時間等の実態調査の取り組みを強化していくとしている。
2. 公共工事に従事する者の労働環境の改善
2-1. 現場環境改善費の実施内容の見直しと拡充
現場環境改善費について、実施内容の絞り込みと、熱中症対策・防寒対策への充当強化が図られる。
【 計上費目の整理(率計上分)】
改定後の計上費目は以下の4項目に整理される(費目ごとに1内容ずつ、合計4つを実施)。
改定後の計上費目は以下の4項目に整理される(費目ごとに1内容ずつ、合計4つを実施)。
- 仮設備関係(昇降設備の充実、環境対策の充実、ICT設備の充実、作業負荷の低減)
- 営繕関係(現場事務所の快適化、労働者宿舎の充実、現場休憩所の充実、衛生設備・厚生施設の充実)
- 安全関係(工事標識・照明等安全施設の充実、盗難防止対策、健康関連施設の充実、野生生物・害虫対策)
- 地域連携(広報活動等、見学会・イベント等の開催、社会貢献・地域対策費等、現場景観向上)
【 熱中症対策・防寒対策(積み上げ計上分)の拡充 】
現行では率分で計上される額の50%を上限としていた熱中症対策・防寒対策の積み上げ計上について、改定後は100%を上限とすることで、対策費用の確保が拡充される。

現行では率分で計上される額の50%を上限としていた熱中症対策・防寒対策の積み上げ計上について、改定後は100%を上限とすることで、対策費用の確保が拡充される。

2-2. 快適トイレの費用計上の拡充
平成28年度より直轄工事において快適トイレの原則化が実施されてきたが、最新の調査実態を踏まえ、令和8年度から上限額が見直される。

また、更なる現場環境改善の推進の観点から、上限基数が撤廃される(設置基数は現場ごとに必要性を協議の上、決定)。
ハウス型等の場合、入口が別になっている場合に限り、入口別に57,000円/基・月上限まで計上可能となる。
3. 移動時間・作業休止時間等を踏まえた歩掛改定
3-1. 現場移動時間を考慮した改定
路上工事など常設の作業帯が設けられない工事では、資材基地から現場への移動時間が実作業時間を圧縮する。
令和4年度に調査表の全面見直しを実施した結果、令和7年度の調査ではトンネル工事や砂防工事等においても同様の傾向が確認された。
これを受け、以下の11工種で移動時間を考慮した歩掛改定が令和8年度に反映される。
- 半たわみ性(コンポジット)舗装工
- 伸縮装置工(鋼製)
- トンネル漏水対策工
- 濁水処理工(一般土木工事)
- 地すべり防止工(ふとんかご)
- 路上路盤再生工
- トンネル濁水処理工
- トンネル工(NATM)〔発破工法〕
- トンネル補修工(ひび割れ補修工)低圧注入工
- 排水構造物工(鉄筋コンクリート台付管)
- 笠コンクリートブロック据付工
3-2. 建設機械の回送時間を考慮した改定
建設機械を日々回送して使用する工種においても、実作業時間の短縮傾向が確認された。移動式クレーンを日々回送している以下の3工種で歩掛改定が行われる。
- トンネル工(NATM)仮設備工(防音扉工)
- PC橋架設工(架設機械据付・解体)
- 排水構造物工(鉄筋コンクリート台付管)
3-3. 作業休止時間を考慮した改定
建設現場の作業管理として行われている作業休止時間(振動作業対策、腰痛予防対策、熱中症予防対策など)の増加により、実作業時間が短くなる傾向が確認された。
以下の6工種で歩掛改定が行われる。
- 鉄筋工
- 仮囲い設置撤去工
- 土のう工
- 路上路盤再生工
- 排水構造物工(鉄筋コンクリート台付管)
- 笠コンクリートブロック据付工
4. 施工規模に応じた標準歩掛(小規模歩掛等)の設定
土木工事標準歩掛の使用にあたって、積算者が適用可否の判断をしやすいように、適用範囲および施工方法などが詳細化される。
また、維持修繕等に関係する工種では小規模施工を考慮した歩掛が新設・改定される。
代表例として、トンネル補修工(断面修復工・左官工法)では施工規模(修復延べ体積)により適用する歩掛を区分し、少量施工の実態を反映した歩掛が設けられる。

5. 円滑な施工体制の確保
5-1. 大規模災害の被災地における復興係数・復興歩掛
大規模災害の被災地では作業効率の低下が実態として確認されていることから、復興事業の円滑化を目的に、各地域で以下の対応が取られる。
石川県(中能登・奥能登地域) 令和6年能登半島地震に対応した復興歩掛を新たに設定。
土工の標準作業量を20%低減、アスファルト舗装工を10%低減。適用時期はR8年4月1日。

岩手・宮城県内 第2期復興・創生期間の終了に伴い復興係数は終了となるが、令和8年度に限り暫定措置として、共通仮設費1.3・現場管理費1.1の補正を猶予適用。

福島県内 第3期復興・創生期間が令和8年度以降も継続されることから復興係数を維持。実態調査の結果を踏まえ、引き下げの猶予を終了し、共通仮設費1.5→1.3、現場管理費1.2→1.1へ移行。

熊本県内 調査結果では他地域との乖離は見られないものの、令和7年8月豪雨災害の影響を注視するため、令和8年度に限り復興係数・復興歩掛の変更を猶予。
6. ICT関連の改定
6-1. 新たな枠組み「導入型ICT活用工事」による普及促進
ICT施工未経験企業や地方自治体工事を主に受注している企業へのICT技術導入を促すため、小規模工事を対象に新たな枠組みが整備される。
従来の3次元建設機械による施工(全面活用型・ステップアップ型)に加え、新たに以下の「ファーストステップ型」が設けられる。
- 3次元設計データの作成が不要な、2次元マシンガイダンス建設機械による施工
- ICT建設機械を用いず、トータルステーション等のICT機器を活用した施工効率化
工事内容に応じてオーバースペックにならない最適な技術を選択することで、小規模工事における現場の省人化を図るとともに、ICT技術の利便性に触れることでステップアップへの誘導も期待されている。
7. その他の主な改定
7-1. 土木工事標準歩掛の改定(計24工種)
【 新規制定(7工種)】

道路維持修繕工事に関する歩掛が新たに4工種制定されている点が注目される。
- 鉄筋工
- 土のう工
- 防塵処理工
- 橋梁補修工(塗装塗替足場工)
- 橋梁補修工(高力ボルト当て板鋼桁補強工)
- トンネル補修工 断面修復工(左官工法)
- トンネル補修工 剥落防止対策工(可視繊維シート接着工)

道路維持修繕工事に関する歩掛が新たに4工種制定されている点が注目される。
【 その他の改定区分 】
- 使用機械・労務等の変動による改定:8工種
- 移動時間を考慮した改定:6工種
- 建設機械の回送時間を考慮した改定:1工種
- 作業休止時間を考慮した改定:1工種
- 資材の搬入制約を考慮した改定:1工種(PC橋架設工)
7-2. 施工パッケージ型積算関係の改定(8工種)
- 機械土工(土砂)〔ブルドーザ掘削〕
- 機械土工(岩石)掘削
- 機械土工(土砂)〔床掘〕(ICT)
- 捨石工、排水構造物工(鉄筋コンクリート台付管)
- 笠コンクリートブロック据付工
- 半たわみ性(コンポジット)舗装工
- トンネル漏水対策工〔面導水、線導水、導水樋〕
7-3. 市場単価の一部廃止
良好な取引が行われたデータの収集が困難になってきているとして、以下の3工種で市場単価方式による単価設定が廃止される。鉄筋工・ガス圧接工は「土木工事標準歩掛」へ移行する。
- 廃止対象:鉄筋工、ガス圧接工、軟弱地盤処理工

7-4. 新技術関係積算基準類の整備
令和6年度より有用な新技術の現場実装を目的として整備が進められており、令和7年度は新たに10技術の基準類が整備された。
新規整備された主な技術(令和7年度整備分)は以下の通り。

適用時期は令和8年4月1日以降に入札契約手続きを開始する工事。整備した基準類はNETISにて公表予定だ。
7-5. 建設機械等損料算定表の改定
実態調査を踏まえ、建設機械等損料算定表が改定される。

全平均では基礎価格が対前回比1.15倍、運転1時間当たり換算値損料が同1.16倍となっている。
7-6. 設計業務等標準歩掛の改定
実態調査に基づき、以下の業務歩掛が改定される。
- UAVレーザ測量

- 地すべり調査(地下水位測定、移動変形調査など)


- 道路予備設計(A)(B)


- 橋梁定期点検業務


また、道路トンネル定期点検業務については実態調査をもとに新規歩掛として策定された。- 道路トンネル定期点検業務


7-7. 業務スライド制度の試行導入
業務委託の価格転嫁対策を強化するため、令和8年度以降に新規契約する建設コンサルタント業務等からスライド制度(業務スライド)が試行導入される(令和7年12月3日公表済)。
まずはスライド額を適切に算定できる業務(賃金等の変動時の着手済・未着手が明確に確認できる業務)などから適用が開始される。

全体スライド(契約締結から12か月以上経過した業務が対象):
変動前後の差額A − 変動前残業務委託料B × 1.5%
※ A > B × 1.5%の場合に適用可能。
変動前後の差額A − 変動前残業務委託料B × 1.5%
※ A > B × 1.5%の場合に適用可能。
インフレスライド(急激なインフレがあった場合が対象):
A − B × 1.0%
※ A > B × 1.0%の場合に適用可能。
A − B × 1.0%
※ A > B × 1.0%の場合に適用可能。
7-8. 維持・修繕工事の積算等における留意事項
維持修繕工事における積算等の改善方策として、受発注者アンケート及びヒアリングを踏まえ「維持・修繕工事の適切な積算の実施等に向けた留意事項」がとりまとめられた。
主な内容は以下の通りだ。
- 1日未満の小規模作業に対する積算:拘束時間や支払い実態を踏まえた積算数量の採用
- 小規模・点在作業を伴う工事の諸経費:回送費等が著しく増加する場合の間接費での個別積み上げを検討
- 監理(主任)技術者の負担軽減:品質管理等が不要な作業や緊急対応等について、事前・事後確認により現場立会(臨場)を省略可能とする
- 連絡体制確保に対する経費の取扱い:待機指示を出した場合は、最終的に作業(出動)しなかった場合も実績で精算
まとめ
令和8年度の積算基準改定は、第三次担い手3法の全面施行を直接の契機とした、包括的な見直しである。
新基準等の適用は、原則として令和8年4月1日以降に入札書提出締切日が設定されるものから適用される。
一般管理費等率の引き上げや快適トイレ上限額の改定は処遇改善に直結し、移動時間・作業休止時間を歩掛に反映する措置は現場の実態に即した積算の実現につながる。
建設ICTの観点では、「導入型ICT活用工事」という新たな枠組みの設定が注目される。
3次元設計データを必要としない2次元マシンガイダンスや、ICT機器を活用した施工効率化が小規模工事にも適用可能となることで、これまでICT施工に踏み出せなかった企業層へのボトムアップが期待される。
また、新技術積算基準類として3Dプリンティングやトモロボなど10技術の基準が新たに整備されたことも、現場でのイノベーション実装を後押しするものだ。
各事業者においては、4月1日以降の入札公告案件への適用を念頭に、自社の積算体制を早期に確認することが求められる。
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