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デジコン編集部 2026.3.9

鹿島、山岳トンネルの「切羽」を安全・自動で評価するシステムを開発。目視の危険を回避

CONTENTS
  1. 目視による「肌落ち」のリスクと、職人不足の課題
  2. スマホやLiDAR、AIを駆使し、5つの性状を定量評価
鹿島建設は2026年3月、山岳トンネル工事において、トンネル最先端の掘削面である「切羽(きりは)」の性状を定量的に分析・評価する「切羽評価システム」を開発したと発表した。

これまで人の目視に頼っていた危険な観察作業を、各種センサーやAIを用いて自動化・定量化し、現場の安全性向上と熟練技術者不足の解消を図る。

目視による「肌落ち」のリスクと、職人不足の課題


山岳トンネル工事では、地山の変化に合わせて安全に掘り進めるため、1日1回の頻度で切羽の風化変質や圧縮強度などを観察・評価し、帳票を作成することが義務付けられている。


しかし、従来は作業員が切羽の直近まで近づいて目視で確認を行っていたため、岩盤が崩れ落ちる「肌落ち(剝落)」や重機との接触といった深刻な労働災害のリスクを伴っていた。


さらに、切羽の評価には長年の経験と高度な技能が必要不可欠であり、熟練技能者の高齢化による将来的な担い手不足も大きな課題となっていた。

スマホやLiDAR、AIを駆使し、5つの性状を定量評価


今回開発されたシステムは、スマートフォンで撮影した画像、掘削用ブレーカに取り付けた加速度センサー、コンクリート吹付け機に搭載したLiDAR、そして赤外線カメラなどを組み合わせてデータを取得する。




これらのデータを独自の分析ソフトやAIで処理することで、「風化変質」「割れ目性状」「走向・傾斜」「圧縮強度」「湧水量」という5つの重要項目を、直接的・物理的なデータに基づいて客観的かつ定量的に評価する。

評価結果は電子データとして「切羽観察帳票」に自動出力されるため、切羽付近に人が立ち入る時間を大幅に短縮できる。






WRITTEN by

デジコン編集部

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