- 【最高峰】内閣総理大臣賞(1件)
-
各省大臣賞(11件)
- 2. 【総務省】浅層埋設管路防護技術(技術開発)/ 受賞者: NTT
- 3.【総務省】立会受付Webシステムによる官民共同受付の推進(現場工夫)/ 受賞者: NTTインフラネット
- 4.【農林水産省】三次元データを用いた地すべりトンネル排水工における亀裂・変形等の効率的記録手法(現場工夫)/ 国土防災技術
- 5.【農林水産省】 “GIS”と“ノーコードアプリ”を活用したデータ蓄積による土地改良施設の効率的な保全管理(活動)/ 受賞者: 熊本平野南部土地改良区 ほか
- 6.【農林水産省】FRGカバー工法(埋設型枠)による漁港等水産基盤施設の補修・防食技術(技術開発)/ 受賞者:ダイトー
- 7. 【経済産業省】AI技術×操業データによるCBMの実現(技術開発)/ 受賞者: アズビル
- 8.【国土交通省】人が立ち入れない空間のインフラ点検を可能にする小型ドローン技術の実装と普及(現場工夫)/ 受賞者: Liberaware
- 9.【国土交通省】太田切川の常水路工(魚道)施工のスタンダード化(活動)/ 受賞者: 飯島いいものつくろう会
- 10.【国土交通省】さびを味方にインフラを守る維持管理コスト低減型新機能性塗料ダンジオーラシステム(技術開発)/ 受賞者: 日本ペイント
- 11. 【環境省】埋め立て処分場の負荷軽減に向けたAI選別ロボットの導入プロジェクト(技術開発)/ 受賞者: 加山興業
- 12.【防衛省】RAKUYU-Z工法(不断水水替工法)(技術開発)/受賞者: 京環メンテナンス
-
特別賞(7件)
- 13. 【総務省】マンホール鉄蓋取替工事の効率化と耐久性を追求した「セイフティーフラット工法」(技術開発)/ 受賞者: シー・エス・ケエ
- 14. 【文部科学省】地震動を受けたインフラ施設の建物モニタリングによる健全性評価システム(技術開発)/ 受賞者: 大成建設 ほか
- 15. 【農林水産省】「データを根拠とした農業用水の水管理への挑戦」(現場工夫)/ 受賞者: 愛知川沿岸土地改良区
- 16. 【経済産業省】3Dビューア 「INTEGNANCE VR」による効率的な設備保全の提案(技術開発)/ 受賞者: ブラウンリバース
- 17. 【国土交通省】球体発射・回収装置による桟橋下面の打音調査システム(技術開発)/ 受賞者: 五洋建設
- 18. 【環境省】LiB火災対策に向けたAI火花検知システム「SparkEye」の普及(技術開発)受賞者: イーアイアイ
- 19. 【防衛省】PFOS/PFOAが混入した消火用貯水槽の機能正常化への取組(技術開発)/ 受賞者: 前田建設工業
-
優秀賞(25件)
- 20. 水中清掃ロボットを活用した不断水によるファームポンドの底部土砂の清掃(MAFF)/ 受賞者: 沖縄本島南部土地改良区
- 21. スマート水管理の構築~効率と安全の両立~(MAFF)/ 受賞者: 寒河江川土地改良区
- 22. IoT×地理空間情報で農業水利施設の維持管理効率化・高度化(MAFF)/ 受賞者: 岩手県土地改良事業団体連合会
- 23. 350年受け継がれる「十石堀用水」を後世に残す歴史と維持管理(MAFF)/ 受賞者: 十石堀維持管理協議会
- 24. 東条川疏水ネットワーク博物館構想の推進(MAFF)/ 受賞者: 東条川疏水ネットワーク博物館会議
- 25. 電力安定供給を支える高効率火力発電プラントの微小サンプル寿命診断技術(METI)/ 受賞者: 一般財団法人電力中央研究所
- 26. 大気腐食モニタリングセンサを活用した送電鉄塔の保全方策確立(METI)/ 受賞者: 東京電力パワーグリッド
- 27. 3D写真技術を活用した竣工図自動作成(METI)/ 受賞者: 大阪ガスネットワーク
- 28. 地震・水害発生時における二次災害防止のための防災システムの構築(METI)/ 受賞者: 東京ガスネットワーク
- 29. みんなでぬりかえ、未来へつなぐ安心の橋~プロジェクト1184~(MLIT)/ 受賞者: 岐阜県加茂郡七宗町役場
- 30. 人工衛星(マクロ)とAI・IoTセンサ(ミクロ)を掛け合わせた効率的な漏水調査(MLIT)/ 受賞者: 福岡市水道局
- 31. 下水処理場流入汚水への海水混入調査手法について(MLIT)/ 受賞者: 福岡市道路下水道局
- 32. 道路管理者と下水道管理者が一体で道路陥没マネジメントを実践!(MLIT)/ 受賞者: 藤沢市
- 33. 新幹線モニタリング車による線路設備のスマートメンテナンス(MLIT)/ 受賞者: 東日本旅客鉄道
- 34. レベル3.5飛行によるVTOL型ドローンを活用した鉄道斜面調査(MLIT)/ 受賞者: 東日本旅客鉄道 新潟支社
- 35. デジタルツインが拓く鉄道土木の未来型マネジメント(MLIT)/ 受賞者: CalTa
- 36. 新幹線トンネル検査のDXへの取り組み(MLIT)/受賞者: 東日本旅客鉄道
- 37. 熊本城飯田丸五階櫓石垣復旧事業における耐震補強の確実性を高める取組み(MLIT)/ 受賞者: 熊本市文化市民局 ほか
- 38. モータースポーツを活用した担い手育成とイメージアップ広報活動(MLIT)/ 受賞者: 栄建設
- 39. 荒川クリーンエイド~治水インフラ「荒川放水路」を支える市民参加型メンテナンス~(MLIT)/ 受賞者: 特定非営利活動法人荒川クリーンエイド・フォーラム
- 40. 舗装構造の影響把握システム「PaveScope」の開発(MLIT)/ 受賞者: 鹿島建設
- 41. AI打音マネジメントシステム「ウェイヴ・ブレイナーPRO」(MLIT)/ 受賞者: 構研エンジニアリング
- 42. 橋梁などのコンクリート変状において遠望非接触にて赤外線法により検出する技術(MLIT)/ 受賞者: 西日本高速道路エンジニアリング四国
- 43. IoTデータと3D空間の融合による「デジタルツイン設備管理」(MLIT)/ 受賞者: NSW
- 44. ドローンと3Dスキャンカメラを活用したデジタル点検手法とそれを補助する点検実務チームのパッケージ化(MLIT)/受賞者: 大成建設
- まとめ 〜 メンテナンスは「対症療法」から「予防・予測」へ 〜
2026年1月19日、国土交通省をはじめとする8省庁は、「第9回 インフラメンテナンス大賞」の受賞者44件を発表した。
インフラの老朽化と担い手不足という「二重の危機」に対し、AI、ドローン、新工法、そして市民協働など、あらゆる手立てで挑むプレイヤーたちの最新事例が出揃った。
本記事では、内閣総理大臣賞から優秀賞まで、全44件の受賞案件の概要と、デジコン編集部独自の「注目ポイント」をセットで紹介していく。
インフラメンテナンスの模範となる、今年度最も優れた取り組み。
高齢化と担い手不足が進む北海道留萌地区において、除雪業務の持続可能性を確保するため、徹底的なDXを推進した。

具体的には、AIが気象データから翌日の出動確率を予測する「除雪出動判断支援システム」、除雪車の排雪量を自動計測する技術、さらには熟練オペレーターの操作をデジタルツイン上で再現する若手育成システムなどを導入。
また、高齢作業員向けにアシストスーツを支給するなど、ハード・ソフト両面から「働き方」を変革した。
各省庁が管轄する分野において、特に優れた成果を上げた取り組み。
道路掘削や舗装切断工事の際、浅い位置に埋設された通信管路を保護するため、従来は大規模な開削工事を行って防護部材を設置していた。

本技術では、管路の「内部」から補強材を挿入して強度を高める手法を開発。これにより、道路を掘り返すことなく防護が可能となり、工期短縮とコスト削減、環境負荷低減を実現した。
道路工事等の際に必要な地下埋設物の「立会確認」申請を、Web上で一元化。
ガス・通信・電気・水道などのインフラ事業者が共同利用できるプラットフォームを構築し、申請から回答までをワンストップ化した。

人が入るのが困難な小断面の地すべり対策用排水トンネルにおいて、小型台車に360度カメラ等を搭載し、坑壁の3Dモデルを作成。

高価なレーザースキャナを使わず、安価な機材で変状展開図を作成・記録する手法を確立した。
組織合併に伴う膨大な施設情報の管理・継承問題に対し、GIS(地理情報システム)とノーコードアプリ(kintone等)を組み合わせて低コストでシステム化。

職員自らがアプリを改修できる体制を作り、現場情報をリアルタイムに共有・蓄積している。
老朽化した鋼矢板等の補修において、軽量かつ高耐久なFRP製カバー(FRG板)を設置し、内部にコンクリートを充填する工法。

このカバーは「埋設型枠」として機能するため撤去が不要で、重機が使えない狭隘な漁港でも人力施工が可能となる。
プラント等の設備管理において、運転データやセンサー情報をAIが常時監視。

正常時のデータから逸脱した「いつもと違う」挙動を予兆として検知し、故障前にメンテナンスを行うCBM(状態基準保全)を実現するソリューション「BiG EYES MM」を開発した。
屋内狭小空間専用の小型ドローン「IBIS2」を開発。GPSが届かず、粉塵や暗闇が支配する下水道管内や天井裏、ボイラー内部などの点検を可能にした。

能登半島地震などの災害時調査でも活用され、二次災害防止に貢献している。
自然石を用いた魚道の施工には熟練の石積み技術が必要だが、職人が減少している。

そこで、地元の建設業者が集まり、施工ノウハウ(暗黙知)を発注者と議論しながらマニュアル化(形式知化)。「誰でも施工できる」標準工法として確立させた。
従来の塗装は「さびを完全に落とす(ケレン)」必要があったが、本技術はさび層に浸透して固め、防食被膜を形成する特殊塗料。

さびを残したまま塗装できるため、過酷なケレン作業を省略し、コストと工期を大幅に縮減する。
建設混合廃棄物から、リサイクル可能な木くずやプラスチックをAI搭載ロボットが自動で選別。

再資源化率を高めることで、逼迫する最終処分場の埋立量を最小化し、処分場の延命化に貢献している。
下水道管路の改築時に必要な「水替え(バイパス)」作業において、特殊な止水プラグと吸い込みポンプを組み合わせ、下水を流したまま(不断水・無閉塞)で作業エリアを確保する技術。

特定のテーマやニッチな課題解決において、独自性が光る取り組み。
円形カッターでマンホール周辺のみを最小限に切断し、超速硬モルタルで復旧する工法。

建物に設置したセンサーで地震時の揺れを計測し、即座に構造体の安全性を判定するシステム。

経験と勘に頼っていた水門操作を、水位や流量データに基づく管理へ移行。

プラント全体を3Dスキャンし、Webブラウザ上で閲覧・計測できるデジタルツイン環境を構築。

桟橋の下にボートを入れ、そこから金属球を空気圧で撃ち出し、コンクリートに当たった音をマイクで拾って解析する。

ゴミ処理施設等でリチウムイオン電池が発火した際、その「火花」をAIカメラが瞬時に検知し、自動消火設備と連動させる。

有害物質PFOS等を含む消火用水を、現場に持ち込んだ車載式プラントで浄化・無害化する技術。

現場での着実な改善や、ユニークな地域活動など、横展開が期待される取り組み。

























今年の受賞事例44件を総覧すると、「AIによる予兆検知」「遠隔・非接触点検」「ロボットによる代替」が完全にトレンドとして定着したことがわかる。
人手不足という待ったなしの課題に対し、インフラメンテナンス業界は、匠の技をデジタルに置き換え、あるいは市民の力を借りて、必死にアップデートを続けている。
インフラの老朽化と担い手不足という「二重の危機」に対し、AI、ドローン、新工法、そして市民協働など、あらゆる手立てで挑むプレイヤーたちの最新事例が出揃った。
本記事では、内閣総理大臣賞から優秀賞まで、全44件の受賞案件の概要と、デジコン編集部独自の「注目ポイント」をセットで紹介していく。
【最高峰】内閣総理大臣賞(1件)
インフラメンテナンスの模範となる、今年度最も優れた取り組み。
1. 豪雪地の交通インフラ維持を図る除雪支援の取組 / 受賞者: 株式会社堀口組(北海道)
高齢化と担い手不足が進む北海道留萌地区において、除雪業務の持続可能性を確保するため、徹底的なDXを推進した。

具体的には、AIが気象データから翌日の出動確率を予測する「除雪出動判断支援システム」、除雪車の排雪量を自動計測する技術、さらには熟練オペレーターの操作をデジタルツイン上で再現する若手育成システムなどを導入。
また、高齢作業員向けにアシストスーツを支給するなど、ハード・ソフト両面から「働き方」を変革した。
★ デジコン編集部の注目ポイント ★
「除雪」という過酷なアナログ業務に、AI、デジタルツイン、ウェアラブル端末をフル投入している点が圧巻。
単なる効率化だけでなく、「地域の守り手」を絶やさないための「なりふり構わぬDX」は、雪国のみならず全国の地方建設業が目指すべきモデルケースだ。
各省大臣賞(11件)
各省庁が管轄する分野において、特に優れた成果を上げた取り組み。
2. 【総務省】浅層埋設管路防護技術(技術開発)/ 受賞者: NTT
道路掘削や舗装切断工事の際、浅い位置に埋設された通信管路を保護するため、従来は大規模な開削工事を行って防護部材を設置していた。

本技術では、管路の「内部」から補強材を挿入して強度を高める手法を開発。これにより、道路を掘り返すことなく防護が可能となり、工期短縮とコスト削減、環境負荷低減を実現した。
★ デジコン編集部の注目ポイント ★
「外から守る(掘る)」から「中から守る(掘らない)」へのコペルニクス的転回。都市部の工事渋滞やコスト高騰を一挙に解決する、まさに「逆転の発想」によるイノベーションだ。
3.【総務省】立会受付Webシステムによる官民共同受付の推進(現場工夫)/ 受賞者: NTTインフラネット
道路工事等の際に必要な地下埋設物の「立会確認」申請を、Web上で一元化。
ガス・通信・電気・水道などのインフラ事業者が共同利用できるプラットフォームを構築し、申請から回答までをワンストップ化した。

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
インフラ各社の「調整コスト」を一気に下げるプラットフォーム。
自社だけでなく他社も巻き込んだ「業界標準」を作り上げた点が素晴らしく、建設DXの理想形と言える。
4.【農林水産省】三次元データを用いた地すべりトンネル排水工における亀裂・変形等の効率的記録手法(現場工夫)/ 国土防災技術
人が入るのが困難な小断面の地すべり対策用排水トンネルにおいて、小型台車に360度カメラ等を搭載し、坑壁の3Dモデルを作成。

高価なレーザースキャナを使わず、安価な機材で変状展開図を作成・記録する手法を確立した。
★ デジコン編集部の注目ポイント ★
「狭い・暗い・危険」な場所での点検を、ハイエンド機材に頼らず「身近な技術」で解決した点に現場の知恵を感じる。中小規模の現場でも導入しやすい実用的なDXだ。
5.【農林水産省】 “GIS”と“ノーコードアプリ”を活用したデータ蓄積による土地改良施設の効率的な保全管理(活動)/ 受賞者: 熊本平野南部土地改良区 ほか
組織合併に伴う膨大な施設情報の管理・継承問題に対し、GIS(地理情報システム)とノーコードアプリ(kintone等)を組み合わせて低コストでシステム化。

職員自らがアプリを改修できる体制を作り、現場情報をリアルタイムに共有・蓄積している。
★ デジコン編集部の注目ポイント ★
ベンダー任せにせず、ノーコードツールで「自分たちが使いやすい道具」を作った点が勝因。組織統合の混乱をDXの好機に変えた、自治体や公的団体の参考になる好例。
6.【農林水産省】FRGカバー工法(埋設型枠)による漁港等水産基盤施設の補修・防食技術(技術開発)/ 受賞者:ダイトー
老朽化した鋼矢板等の補修において、軽量かつ高耐久なFRP製カバー(FRG板)を設置し、内部にコンクリートを充填する工法。

このカバーは「埋設型枠」として機能するため撤去が不要で、重機が使えない狭隘な漁港でも人力施工が可能となる。
★ デジコン編集部の注目ポイント ★
「型枠」自体が最強の「防食カバー」になる一石二鳥のアイデア。離島や僻地が多い漁港メンテナンスにおいて、「人力で施工できる」ことの価値は計り知れない。
7. 【経済産業省】AI技術×操業データによるCBMの実現(技術開発)/ 受賞者: アズビル
プラント等の設備管理において、運転データやセンサー情報をAIが常時監視。

正常時のデータから逸脱した「いつもと違う」挙動を予兆として検知し、故障前にメンテナンスを行うCBM(状態基準保全)を実現するソリューション「BiG EYES MM」を開発した。
★ デジコン編集部の注目ポイント ★
ベテランオペレーターが肌感覚で感じる「なんかおかしい」という違和感を、AIが代替・数値化した技術。
危険な現場巡回から人間を解放し、突発停止リスクをゼロに近づける「働き方改革」ツールだ。
8.【国土交通省】人が立ち入れない空間のインフラ点検を可能にする小型ドローン技術の実装と普及(現場工夫)/ 受賞者: Liberaware
屋内狭小空間専用の小型ドローン「IBIS2」を開発。GPSが届かず、粉塵や暗闇が支配する下水道管内や天井裏、ボイラー内部などの点検を可能にした。

能登半島地震などの災害時調査でも活用され、二次災害防止に貢献している。
★デジコン編集部の注目ポイント★
まさに「手のひらサイズのスパイ」。既存のドローンが入っていけない「隙間」というニッチ市場を制覇し、社会インフラの血管(配管)を守る、日本発のスタートアップ技術。
9.【国土交通省】太田切川の常水路工(魚道)施工のスタンダード化(活動)/ 受賞者: 飯島いいものつくろう会
自然石を用いた魚道の施工には熟練の石積み技術が必要だが、職人が減少している。

そこで、地元の建設業者が集まり、施工ノウハウ(暗黙知)を発注者と議論しながらマニュアル化(形式知化)。「誰でも施工できる」標準工法として確立させた。
★ デジコン編集部の注目ポイント ★
「職人の勘」をマニュアル化する地道だが重要な取り組み。発注者と受注者が対立するのではなく「ワンチーム」で技術継承を行っている点が熱い。
10.【国土交通省】さびを味方にインフラを守る維持管理コスト低減型新機能性塗料ダンジオーラシステム(技術開発)/ 受賞者: 日本ペイント
従来の塗装は「さびを完全に落とす(ケレン)」必要があったが、本技術はさび層に浸透して固め、防食被膜を形成する特殊塗料。

さびを残したまま塗装できるため、過酷なケレン作業を省略し、コストと工期を大幅に縮減する。
★ デジコン編集部の注目ポイント ★
「さびを落とす」という塗装の常識を覆し、「さびを固めて守る」発想へ。現場作業員の負担を激減させる、まさに現場待望の「優しさ」が詰まった技術。
11. 【環境省】埋め立て処分場の負荷軽減に向けたAI選別ロボットの導入プロジェクト(技術開発)/ 受賞者: 加山興業
建設混合廃棄物から、リサイクル可能な木くずやプラスチックをAI搭載ロボットが自動で選別。

再資源化率を高めることで、逼迫する最終処分場の埋立量を最小化し、処分場の延命化に貢献している。
★ デジコン編集部の注目ポイント ★
最終処分場の「寿命」という社会課題に、AIロボティクスで挑む直球勝負。静脈産業(廃棄物処理)のDX最前線であり、サーキュラーエコノミーの実現に不可欠なピースだ。
12.【防衛省】RAKUYU-Z工法(不断水水替工法)(技術開発)/受賞者: 京環メンテナンス
下水道管路の改築時に必要な「水替え(バイパス)」作業において、特殊な止水プラグと吸い込みポンプを組み合わせ、下水を流したまま(不断水・無閉塞)で作業エリアを確保する技術。

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
ポンプの目詰まりリスクを解消し、夜間の監視員配置を不要にした点が凄い。作業員が汚水に触れる不衛生な作業をなくした功績は、技術的な効率化以上に大きい。
特別賞(7件)
特定のテーマやニッチな課題解決において、独自性が光る取り組み。
13. 【総務省】マンホール鉄蓋取替工事の効率化と耐久性を追求した「セイフティーフラット工法」(技術開発)/ 受賞者: シー・エス・ケエ
円形カッターでマンホール周辺のみを最小限に切断し、超速硬モルタルで復旧する工法。

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
道路の「開腹手術」を「内視鏡手術」に変えたようなもの。交通規制時間を劇的に短縮する、都市型工事の決定版。
14. 【文部科学省】地震動を受けたインフラ施設の建物モニタリングによる健全性評価システム(技術開発)/ 受賞者: 大成建設 ほか
建物に設置したセンサーで地震時の揺れを計測し、即座に構造体の安全性を判定するシステム。

★デジコン編集部の注目ポイント★
地震直後、「この建物は使えるか?」をIoTで即座に判定。避難所開設や業務再開の判断を早める防災DX。
15. 【農林水産省】「データを根拠とした農業用水の水管理への挑戦」(現場工夫)/ 受賞者: 愛知川沿岸土地改良区
経験と勘に頼っていた水門操作を、水位や流量データに基づく管理へ移行。

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
農業土木の「匠の技」をデータ化。豪雨時の操作ミスを防ぎ、地域の安全を守るための必須アップデート。
16. 【経済産業省】3Dビューア 「INTEGNANCE VR」による効率的な設備保全の提案(技術開発)/ 受賞者: ブラウンリバース
プラント全体を3Dスキャンし、Webブラウザ上で閲覧・計測できるデジタルツイン環境を構築。

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
「現地に行かずに配管ルートを確認できる」ことの価値。出張費削減だけでなく、熟練工が遠隔から若手に指示を出せる教育ツールにもなる。
17. 【国土交通省】球体発射・回収装置による桟橋下面の打音調査システム(技術開発)/ 受賞者: 五洋建設
桟橋の下にボートを入れ、そこから金属球を空気圧で撃ち出し、コンクリートに当たった音をマイクで拾って解析する。

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
「足場を組んでハンマーで叩く」常識を捨て、「球を撃つ」という発想がユニークすぎる。ゲームのような面白さと実用性を兼ね備えたアイデア勝ち技術。
18. 【環境省】LiB火災対策に向けたAI火花検知システム「SparkEye」の普及(技術開発)受賞者: イーアイアイ
ゴミ処理施設等でリチウムイオン電池が発火した際、その「火花」をAIカメラが瞬時に検知し、自動消火設備と連動させる。

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
現代のゴミ処理場の天敵「電池火災」を、ボヤのうちに封じ込める守護神。炎が大きくなってからでは遅い、その「一瞬」を見逃さないAIの眼。
19. 【防衛省】PFOS/PFOAが混入した消火用貯水槽の機能正常化への取組(技術開発)/ 受賞者: 前田建設工業
有害物質PFOS等を含む消火用水を、現場に持ち込んだ車載式プラントで浄化・無害化する技術。

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
環境リスクへの迅速な対抗策。水を外部に持ち出さず、その場で綺麗にする「機動力」が、基地や空港などの施設管理で威力を発揮する。
優秀賞(25件)
現場での着実な改善や、ユニークな地域活動など、横展開が期待される取り組み。
20. 水中清掃ロボットを活用した不断水によるファームポンドの底部土砂の清掃(MAFF)/ 受賞者: 沖縄本島南部土地改良区

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
農業用タンクの水を抜かずに、ロボット掃除機のように底の泥を吸い取る。「断水なし」でインフラを守る縁の下の力持ち。
21. スマート水管理の構築~効率と安全の両立~(MAFF)/ 受賞者: 寒河江川土地改良区

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
豪雨時の危険な水門操作を遠隔化。職員の命を守るための、切実かつ最も有効なDX。
22. IoT×地理空間情報で農業水利施設の維持管理効率化・高度化(MAFF)/ 受賞者: 岩手県土地改良事業団体連合会

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
安価なIoT水位計とGISの組み合わせ。予算の限られる地方組織でも導入可能な「身の丈DX」の好例。
23. 350年受け継がれる「十石堀用水」を後世に残す歴史と維持管理(MAFF)/ 受賞者: 十石堀維持管理協議会

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
350年前の手掘り水路を、今も住民総出で泥さらいして守る。世界かんがい施設遺産を支える「人力」の尊さとコミュニティの力。
24. 東条川疏水ネットワーク博物館構想の推進(MAFF)/ 受賞者: 東条川疏水ネットワーク博物館会議

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
地域全体を「博物館」と見立て、疎水下りなどでインフラを観光資源化。維持管理に「観光」の視点を取り入れた柔軟な発想。
25. 電力安定供給を支える高効率火力発電プラントの微小サンプル寿命診断技術(METI)/ 受賞者: 一般財団法人電力中央研究所

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
わずか10mmのサンプル採取で、高温配管の余命を高精度に診断。検査のために設備を傷めない「低侵襲」な医療のような技術。
26. 大気腐食モニタリングセンサを活用した送電鉄塔の保全方策確立(METI)/ 受賞者: 東京電力パワーグリッド

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
鉄塔ごとの「サビやすさ」をセンサーでマップ化。一律管理をやめ、メリハリのある塗装計画で数十億円を削減したデータ活用術。
27. 3D写真技術を活用した竣工図自動作成(METI)/ 受賞者: 大阪ガスネットワーク

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
スマホ(LiDAR)でガス管を撮るだけで図面完成。手書きスケッチを過去のものにする、現場作業員全員に持たせたいツール。
28. 地震・水害発生時における二次災害防止のための防災システムの構築(METI)/ 受賞者: 東京ガスネットワーク

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
地震だけでなく「水害」でもガスを遠隔遮断できるシステム。浸水リスクが高まる現代において、都市ガスの安全網を強化した。
29. みんなでぬりかえ、未来へつなぐ安心の橋~プロジェクト1184~(MLIT)/ 受賞者: 岐阜県加茂郡七宗町役場

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
予算不足で塗装できない橋を、小学生と一緒に塗る! メンテナンスを「イベント化」し、子供たちの愛着も育む逆転の発想。
30. 人工衛星(マクロ)とAI・IoTセンサ(ミクロ)を掛け合わせた効率的な漏水調査(MLIT)/ 受賞者: 福岡市水道局

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
宇宙(衛星レーダー)で怪しい場所を絞り込み、地上(IoT)で特定する。漏水調査のハイブリッド化で効率を極限まで高めた。
31. 下水処理場流入汚水への海水混入調査手法について(MLIT)/ 受賞者: 福岡市道路下水道局

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
施設の天敵「塩分」の侵入経路を特定。地味だが、処理場の寿命を延ばすために不可欠な調査技術。
32. 道路管理者と下水道管理者が一体で道路陥没マネジメントを実践!(MLIT)/ 受賞者: 藤沢市

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
道路と下水道の縦割りを解消し、「空洞マップ」を共有して陥没を未然に防ぐ。技術以上に「行政連携」の壁を壊した点が評価されるべき。
33. 新幹線モニタリング車による線路設備のスマートメンテナンス(MLIT)/ 受賞者: 東日本旅客鉄道

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
営業列車と同じ速度で走りながらレールを検査。日本の大動脈を止めずに守る、世界に誇る鉄道メンテナンス技術。
34. レベル3.5飛行によるVTOL型ドローンを活用した鉄道斜面調査(MLIT)/ 受賞者: 東日本旅客鉄道 新潟支社

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
垂直離着陸できる固定翼ドローンで、長距離の線路沿い斜面を一気に空撮。災害時の即応力が回転翼ドローンとは段違い。
35. デジタルツインが拓く鉄道土木の未来型マネジメント(MLIT)/ 受賞者: CalTa

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
スマホ動画から現場を3D化する「TRANCITY」。
鉄道だけでなく、誰でも手軽に使えるデジタルツインとして他分野へも急速に普及中。
36. 新幹線トンネル検査のDXへの取り組み(MLIT)/受賞者: 東日本旅客鉄道

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
トンネル表面のひび割れを高速撮影し、AIが変化を検出。
深夜の限られた時間しかできない点検作業を効率化する働き方改革。
37. 熊本城飯田丸五階櫓石垣復旧事業における耐震補強の確実性を高める取組み(MLIT)/ 受賞者: 熊本市文化市民局 ほか

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
文化財の美しい景観を損なわず、内部を特殊なグリッド材で補強。伝統と最新技術を融合させた、震災復興のシンボル。
38. モータースポーツを活用した担い手育成とイメージアップ広報活動(MLIT)/ 受賞者: 栄建設

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
自社の道路パトロールカー柄のレーシングカーでレース参戦! 建設業のPRとしてあまりに斬新すぎ、業界のイメージをぶち壊す(良い意味で)快挙。
39. 荒川クリーンエイド~治水インフラ「荒川放水路」を支える市民参加型メンテナンス~(MLIT)/ 受賞者: 特定非営利活動法人荒川クリーンエイド・フォーラム

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
30年続く市民清掃活動。ゴミ拾いを「生物多様性保全」につなげ、楽しみながらインフラを守る「市民メンテナンス」の完成形。
40. 舗装構造の影響把握システム「PaveScope」の開発(MLIT)/ 受賞者: 鹿島建設

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
道路に埋めた光ファイバーで、振動と温度を全長計測。道路そのものを巨大な「センサー」に変えてしまう未来の技術。
41. AI打音マネジメントシステム「ウェイヴ・ブレイナーPRO」(MLIT)/ 受賞者: 構研エンジニアリング

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
「コンコン」という打音を可視化・データ化。熟練工の「耳」をデジタル保存し、経験の浅い若手でも点検可能にする技術伝承ツール。
42. 橋梁などのコンクリート変状において遠望非接触にて赤外線法により検出する技術(MLIT)/ 受賞者: 西日本高速道路エンジニアリング四国

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
遠くから赤外線カメラで見るだけで、コンクリの浮きを発見。足場も交通規制も不要にする、高速道路管理の救世主。
43. IoTデータと3D空間の融合による「デジタルツイン設備管理」(MLIT)/ 受賞者: NSW

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
設備の状態を3D空間上でリアルタイム監視。ゲーム感覚で直感的に管理できるインターフェースで、管理業務のハードルを下げる。
44. ドローンと3Dスキャンカメラを活用したデジタル点検手法とそれを補助する点検実務チームのパッケージ化(MLIT)/受賞者: 大成建設

★ デジコン編集部の注目ポイント ★
那覇基地の300棟もの施設をドローンと3Dスキャナで丸ごとデータ化。
技術だけでなく「実務チーム」ごとパッケージ化した点が、社会実装を加速させる。
まとめ 〜 メンテナンスは「対症療法」から「予防・予測」へ 〜
今年の受賞事例44件を総覧すると、「AIによる予兆検知」「遠隔・非接触点検」「ロボットによる代替」が完全にトレンドとして定着したことがわかる。
人手不足という待ったなしの課題に対し、インフラメンテナンス業界は、匠の技をデジタルに置き換え、あるいは市民の力を借りて、必死にアップデートを続けている。
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