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デジコン編集部 2025.12.24

TBM社、ベトナムでCO2と鉄鋼スラグから「カーボンリサイクル素材」を製造へ。現地企業2社とMOU締結

CONTENTS
  1. CO2と産業廃棄物を「資源」に変える
  2. ベトナムの「脱炭素」と「経済成長」の両立を支援
TBMは12月24日、ベトナムの石炭火力発電事業会社Vung Ang II Thermal Power LLC(VAPCO)、大手建設会社Viet Hai Trading and Transportation Co., Ltd.(Viet Hai)と、炭素回収・利用(CCU)プロジェクトの実現に向けた基本合意(MOU)を締結したと発表した。

3社は協力して、発電所から排出されるCO2と鉄鋼スラグを原料とした「カーボンリサイクル素材」を製造するプラントの建設を目指す。

CO2と産業廃棄物を「資源」に変える


本プロジェクトでは、TBMのカーボンリサイクル技術を活用し、以下のスキームで資源循環を図る。

  • 原料の調達: VAPCOの石炭火力発電所から排出されるCO2(年間約16万トン想定)と、Viet Haiの製鉄所から出る鉄鋼スラグ(年間約40万トン想定)を使用。
  • 化学合成: これらを化学反応させ、年間約21万トンの「CR炭酸カルシウム(カーボンリサイクル炭酸カルシウム)」を製造することを目標とする。
  • 製品化・用途:
    建設資材:
    Viet Haiのネットワークを活用し、コンクリート、非焼成レンガ、タイルなどの建材としてベトナム国内外で利用。
    高付加価値素材: 樹脂と混練して「CR LIMEX」を製造し、プラスチック代替素材や建築内装材として普及させる。

ベトナムの「脱炭素」と「経済成長」の両立を支援


ベトナムでは経済成長に伴いCO2排出量が増加しており、特に石炭火力発電への依存度が高い。


今回のプロジェクトは、既存のインフラ(発電所)を活かしつつ、革新的な技術でCO2削減と廃棄物の再資源化を同時に実現するもので、同国のサーキュラーエコノミーとカーボンニュートラル達成への貢献が期待される。




WRITTEN by

デジコン編集部

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