センシンロボティクスと小松市消防本部、自動運用ドローンによる災害対応実証で初動迅速化を確認

センシンロボティクスは、石川県小松市消防本部と共同で、自動運用型ドローン基地「DJI Dock 3」を活用した災害対応ソリューションの実証実験を実施したと発表した。

地震や火災などの発災時に、ドローンが現場の映像をリアルタイムで遠隔配信することで、初動対応における状況把握の時間を大幅に短縮できることが確認された。

高所カメラの死角を補い、広域かつ詳細な状況を把握

今回の実証は、NEDOの「SBIR推進プログラム」の一環として行われた。

既存の定点高所カメラでは捉えきれないエリアや詳細な状況を、ドローンを活用して補完することを目的としている。


実験では、センシンロボティクスのプラットフォーム「SENSYN CORE Monitor」を使用し、以下の点を確認した。

• 遠隔映像配信: 消防本部屋上から飛行させたドローンの映像を、遅延なく本部に投影できるか。
• 遠隔操作: 出張所に設置したドローン基地を本部から遠隔操作し、リアルタイム映像を確認できるか。

結果として、ドローンは高所カメラよりも柔軟な視点から広域を撮影でき、「街に異常がないか」「車両や人の有無」「煙の発生源」などを発災直後に把握できるレベルの映像品質が得られた。

小松市消防本部は、今回の成果を踏まえ、より迅速な減災体制の構築を目指す。

また、自動ドローン基地と映像配信システムは、災害時だけでなく、平時における公共施設の点検や巡回業務への活用も期待されており、自治体DXの一環として社会実装が進む見通しだ。