テックファームとアミューズ、自動追従ドローン撮影サービスを実証開始。「防災・インフラ点検」への展開も見据える

テックファームはアミューズと共同で、DJI製ドローンポート「Dock3」を活用した自動追従ドローン撮影サービスの実証実験を開始したと発表した。

本実証はアミューズが運営する西湖（山梨県）のウォーターアクティビティ拠点を舞台に行われ、体験者をドローンが自動で追従・撮影し、AIがショートムービーを自動生成する。

両社は、この技術を観光・エンタメ分野だけでなく、防災やインフラ点検分野へ応用することを目指している。

ドローン×AIで「思い出」を自動生成

実証実験では、DJIの最新ドローンポート「Dock3」と産業用ドローン「MATRICE 4D/4TD」を使用。カヤックなどのアクティビティを楽しむ利用者の動きをドローンが自動で追従し、リアルタイムに撮影する。



撮影された映像は、テックファームが開発したAIロジックによって解析され、笑顔や手を振るシーンなどのハイライトを抽出。

約90秒の「映える」ショートムービーとして自動編集される。これにより、単なる記録ではない「体験価値の可視化」を提供する。

遠隔・自律運航モデルを「インフラ点検・防災」へ

今回の取り組みの重要なポイントは、単なるエンタメサービスの開発にとどまらない点だ。

テックファームは、この実証を通じて「産業ドローンの自律運航」と「AIによるデータ解析・自動編集」を組み合わせた社会実装モデルの構築を目指している。

具体的には、PC上の管理画面から遠隔でドローンの離発着や飛行制御が可能になることで、アクセスの難しい地域や広域エリアでの無人運用が実現する。

この技術を応用することで、将来的には以下のような分野への展開を見据えている。

• インフラ点検: 橋梁や鉄塔など、人が近づきにくい設備の定期巡回や異常検知。
• 防災・減災: 災害発生時の迅速な状況把握や、危険エリアのモニタリング。
• 環境モニタリング: 広範囲な自然環境の定点観測や変化の抽出。

テックファームは、ドローンを単なる空撮ツールから「情報収集・価値創出の基盤」へと進化させ、社会課題の解決と新たな地域価値の創出を目指すとしている。