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デジコン編集部 2025.12.16

奥村組とジャスト、下水道管路の損傷をAIが自動検知。「スマカン」に新機能実装で点検時間を半減

CONTENTS
  1. 熟練者不足をAIで補い、効率的なインフラ維持へ
    1. 管構造抽出AI
    2. 損傷可能性抽出AI
  2. 作業時間を48%削減、ワンストップで報告書まで作成
奥村組とジャストは、下水道管路調査ソフトウェア「スマカン」の拡張機能として、共同開発した「管構造抽出AI」と「損傷可能性抽出AI」を実装したと発表した。


これにより、これまで熟練技術者の目視に頼っていたスクリーニング調査(一次点検)をAIが支援し、損傷箇所の特定にかかる作業時間を約48%削減できるという。

熟練者不足をAIで補い、効率的なインフラ維持へ


日本の下水道インフラは老朽化が進んでおり、点検業務の需要が高まる一方で、目視点検を行う熟練技術者の不足が課題となっている。

今回実装された2つのAI機能は、この課題を解決するために開発された。

管構造抽出AI


管内の展開画像から、管の継ぎ目(ジョイント)や、各家庭からの排水管が接続される「取付管」の位置を自動で認識・抽出する。

(「菅構造抽出AI」による抽出結果)

損傷可能性抽出AI


ひび割れや腐食など、損傷の疑いがある箇所を自動でピックアップする。損傷の可能性が高い箇所ほど濃い赤色で表示されるため、点検員はリスクの高い箇所を直感的に把握できる。

(「損傷可能性AI」による抽出結果)

作業時間を48%削減、ワンストップで報告書まで作成


「スマカン」は、管内カメラの動画を展開画像に変換し、点検結果の入力から報告書作成までを一貫して行えるソフトウェアである。


今回のAI機能追加により、熟練者でなくても正確かつ迅速に異常箇所を特定できるようになり、点検精度の確保と省人化を両立する。

検証の結果、従来の手法と比較して作業時間を大幅に短縮できることが確認された。





WRITTEN by

デジコン編集部

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