コラム・特集
【建設DX展 東京 レポート vol.1】もう現場に行かなくても大丈夫!? リモート作業や施工管理を支援するソリューション6選!
『建設DX展 東京』が2021年12月6日〜8日の3日間、東京ビッグサイトで開催された。2,100もの製品・ソリューションが集う会場には、最新のテクノロジーをひと目見ようと多くの来場者が押し寄せ、9月に開催された「関西展」以上の盛り上がりを見せた。
出展ブースでは、遠隔操作やテレワークに着目したソリューションが増えている印象を受けた。そこで本記事では、数ある企業の中から、テレワークや現場の遠隔管理をサポートするソリューションを出展していた、6ブースをご紹介する。
遡ること約25年前。i-Construction構想がスタートするずっと以前から、「蔵衛門」は写真管理におけるDX化を支援してきた。ICT化はまだ……という事業所でも、「蔵衛門」なら使っている、という企業もあるのではないだろうか。
そんな長い歴史をもつ蔵衛門シリーズが、ついにクラウドに対応。蔵衛門工事黒板アプリ等で作成した施工写真や電子小黒板を「蔵衛門クラウド」にアップロードするだけで、それらのデータをすべて施工管理にも利用できるようになる。
さらに、「蔵衛門クラウド」を便利に使いこなす専用端末「施工管理タブレット蔵衛門Pad DX」と「超堅牢タブレット蔵衛門Pad Tough DX」も新たに登場した。
専用タブレットを使えば、撮影した施工写真にメモを直接書き込み、ショートメール機能で共有したり、ビデオ通話機能で簡易ミーティングをすることも可能だ。遠隔で現場への指示出しや管理業務が可能になった。
現場で撮影された写真や注釈が描き込まれた図面、電子小黒板データはすべてクラウド上に保存されるため、プロジェクトの進捗管理や各種報告書の作成時にも便利だ。その他蔵衛門関連製品と組み合わせる等、目的に合わせたカスタマイズにも対応している。
◎蔵衛門(株式会社ルクレ)▷ ttps://www.kuraemon.com/
導入企業数No.1を謳うANDADの強みは、現場作業員だけでなく、バックオフィス業務の工数削減にも役立つ点だろう。クラウドの活用により、現場写真の管理や施工管理はもちろん、日々の連絡から顧客管理、月末の請求管理までを一気通貫で行うことができる。
特に注目したいのは、チャットアプリサービスと受発注管理機能だ。現場作業が忙しくなると、どうしても後回しにしがちなメール対応と事務作業を、スマホ上で手軽に済ませることができる。
従来、電話やメール、FAXなど、あらゆる連絡手段を駆使して交わされてきた日々の確認作業が、ANDPADのチャットアプリ上にすべて集約できる。各人がベストなタイミングで確認すればいいので、電話対応のためにいちいち作業の手を止める必要もない。つい口頭で済ませがちな変更連絡も、履歴が残るチャットアプリで共有すれば、“言った・言わない問題”が勃発する心配もない。
協力会社や関連会社への受発注業務は、すべてオンライン上で対応可能。事務所のデスクでエクセルを開かなくても、移動中にスマホからでも発注・請求・納品・請求処理を片付けられる。
使い慣れたスマートフォンで操作できるので、いちから新たなソフトウェアの操作を覚える必要もない。職人目線に立って、使い勝手を追求したユーザーインターフェースも、人気の理由のひとつだろう。
◎ANDPAD(株式会社アンドパッド)▷ ttps://lp.andpad.jp/
「Photoruction」も施工管理を支援するツールだ。写真整理から施工管理、電子納品にも対応しており、特に、BIMモデルの閲覧機能など、すでにICTを業務に取り入れている現場の視点に立ったサービスが特徴的だ。
大容量の画像データや図面、3次元モデルもサクサク表示されるため、現場作業中や外出先でも、ストレスなくデータの閲覧が可能。データ使用容量は無制限なので、現在取組んでいるプロジェクトだけでなく、過去のデータをすべて格納することもできる。
加えて、施工現場は、山間部やトンネル内などの電波が届かない不安定なところが必ず存在する。Photoructionであれば、状況に応じて自動的にローカルとクラウドが切り替わるため電波がない場所でもいつも通り利用可能。また、対応端末はiPad、iPhone、Android端末、PCと幅広く、社員や職人が日常的に使用しているデバイスで使用することができる。
◎Photoruction ▷ https://www.photoruction.com/
esriジャパンが提供するGISプラットフォーム「Arc GIS」は、地図情報の可能性を最大限に引き出すツールだ。すぐ利用できる豊富な地図データ、簡単な設定のみで業務に活用できる各種アプリが提供されている。
たとえば、地理情報と関連情報を統合し、解析する際に役立つArc GIS Proや、都市開発に最適化された3D GIS、ArcGIS Urban、モバイル端末から情報を編集できるArc GIS Collecterなどだ。
建設コンサルタント大手「いであ株式会社」では、調査、分析、解析、評価および対策の立案などにArv GISを採用しているという。社会インフラと一口に言っても、交通インフラ、電気・ガス、河川、港湾、山間など、対象地域や扱うデータの種類が幅広いため、部署ごとに適したAPIを契約し、活用しているそうだ。また、外出自粛期間中のテレワーク時には、使用PCを固定せずにライセンス利用ができるArcGISProを導入し、どこからでもGIS情報にアクセスできる環境を整えたことで、自宅からでも滞りなく業務にあたることが可能になったという。
◎esriジャパン「ArcGIS」:https://www.esrij.com/products/arcgis/
VRを装着した来場者が見ているのは、今まさに自分が労働災害の当事者として危険に面しているその場面だ。このシミュレーターを使えば、誰でも体験型の安全講習を実施することができる。
単に映像を見るだけではなく、コントローラーを操作したり自分の身体の向きを変えながらコンテンツに参加することで、よりリアルに危険発生時の状況を体験できるというものだ。
選択できるコンテンツは、墜落、火災、関電、落下、転覆、挟まれ、窒息、衝突、粉塵爆発など、計10コンテンツものラインアップがあり(2021年7月時点)、順次追加されていく予定だそうだ。オリジナルコンテンツの作成にも対応しているため、特殊な危険作業が発生する現場や外国人作業員向けのコンテンツ作成などにも役立ちそうだ。
◎明電システム・ソリューション▷ https://www.meidensha.co.jp/mss/system/sys_07/sys_07_01/index.html
レーシングゲームのコックピットを思わせるこちらのプロダクトは、コベルコ建機が提供する建機オペレーターのテレワークを叶える「K-DIVE CONCEPT(以下K-DIVE)」だ。
K-DIVEの大きな特長は、建機を遠隔操作できるだけでなく、クラウドマッチングシステムを搭載している点だ。現場で使用する建機と施工現場、そしてオペレーターのレベルに合わせたマッチングを行い、最適な現場での作業を提案するというもの。
このシステムを利用すれば、場所や時間などの制約がなくなり、オペレーターの就労の可能性を大きく広げるだろう。2025年の実用化を目指して開発を進めている。
◎コベルト建機 K-DIVE CONCEPT ▷ https://www.kobelcocm-global.com/jp/innovation/technology/kdive/
次回の「vol.2」記事では、新しいアプローチで土木・建設の未来を切り開くソリューションを紹介する。
出展ブースでは、遠隔操作やテレワークに着目したソリューションが増えている印象を受けた。そこで本記事では、数ある企業の中から、テレワークや現場の遠隔管理をサポートするソリューションを出展していた、6ブースをご紹介する。
写真管理や電子少黒板でおなじみのサービスが、クラウド化。さらに便利になった「蔵衛門」
遡ること約25年前。i-Construction構想がスタートするずっと以前から、「蔵衛門」は写真管理におけるDX化を支援してきた。ICT化はまだ……という事業所でも、「蔵衛門」なら使っている、という企業もあるのではないだろうか。
そんな長い歴史をもつ蔵衛門シリーズが、ついにクラウドに対応。蔵衛門工事黒板アプリ等で作成した施工写真や電子小黒板を「蔵衛門クラウド」にアップロードするだけで、それらのデータをすべて施工管理にも利用できるようになる。
さらに、「蔵衛門クラウド」を便利に使いこなす専用端末「施工管理タブレット蔵衛門Pad DX」と「超堅牢タブレット蔵衛門Pad Tough DX」も新たに登場した。
専用タブレットを使えば、撮影した施工写真にメモを直接書き込み、ショートメール機能で共有したり、ビデオ通話機能で簡易ミーティングをすることも可能だ。遠隔で現場への指示出しや管理業務が可能になった。
現場で撮影された写真や注釈が描き込まれた図面、電子小黒板データはすべてクラウド上に保存されるため、プロジェクトの進捗管理や各種報告書の作成時にも便利だ。その他蔵衛門関連製品と組み合わせる等、目的に合わせたカスタマイズにも対応している。
◎蔵衛門(株式会社ルクレ)▷ ttps://www.kuraemon.com/
施工管理から受発注業務まで、スマホでラクラク完結「ANDPAD」
導入企業数No.1を謳うANDADの強みは、現場作業員だけでなく、バックオフィス業務の工数削減にも役立つ点だろう。クラウドの活用により、現場写真の管理や施工管理はもちろん、日々の連絡から顧客管理、月末の請求管理までを一気通貫で行うことができる。
特に注目したいのは、チャットアプリサービスと受発注管理機能だ。現場作業が忙しくなると、どうしても後回しにしがちなメール対応と事務作業を、スマホ上で手軽に済ませることができる。
従来、電話やメール、FAXなど、あらゆる連絡手段を駆使して交わされてきた日々の確認作業が、ANDPADのチャットアプリ上にすべて集約できる。各人がベストなタイミングで確認すればいいので、電話対応のためにいちいち作業の手を止める必要もない。つい口頭で済ませがちな変更連絡も、履歴が残るチャットアプリで共有すれば、“言った・言わない問題”が勃発する心配もない。
協力会社や関連会社への受発注業務は、すべてオンライン上で対応可能。事務所のデスクでエクセルを開かなくても、移動中にスマホからでも発注・請求・納品・請求処理を片付けられる。
使い慣れたスマートフォンで操作できるので、いちから新たなソフトウェアの操作を覚える必要もない。職人目線に立って、使い勝手を追求したユーザーインターフェースも、人気の理由のひとつだろう。
◎ANDPAD(株式会社アンドパッド)▷ ttps://lp.andpad.jp/
オフライン環境での使用。3次元モデルの閲覧にも対応!スマホ施工管理アプリ「Photoruction」
「Photoruction」も施工管理を支援するツールだ。写真整理から施工管理、電子納品にも対応しており、特に、BIMモデルの閲覧機能など、すでにICTを業務に取り入れている現場の視点に立ったサービスが特徴的だ。
大容量の画像データや図面、3次元モデルもサクサク表示されるため、現場作業中や外出先でも、ストレスなくデータの閲覧が可能。データ使用容量は無制限なので、現在取組んでいるプロジェクトだけでなく、過去のデータをすべて格納することもできる。
加えて、施工現場は、山間部やトンネル内などの電波が届かない不安定なところが必ず存在する。Photoructionであれば、状況に応じて自動的にローカルとクラウドが切り替わるため電波がない場所でもいつも通り利用可能。また、対応端末はiPad、iPhone、Android端末、PCと幅広く、社員や職人が日常的に使用しているデバイスで使用することができる。
◎Photoruction ▷ https://www.photoruction.com/
地図は「見る」から「活用する」へ。さまざまな情報を地図上に可視化「Arc GIS」
esriジャパンが提供するGISプラットフォーム「Arc GIS」は、地図情報の可能性を最大限に引き出すツールだ。すぐ利用できる豊富な地図データ、簡単な設定のみで業務に活用できる各種アプリが提供されている。
たとえば、地理情報と関連情報を統合し、解析する際に役立つArc GIS Proや、都市開発に最適化された3D GIS、ArcGIS Urban、モバイル端末から情報を編集できるArc GIS Collecterなどだ。
建設コンサルタント大手「いであ株式会社」では、調査、分析、解析、評価および対策の立案などにArv GISを採用しているという。社会インフラと一口に言っても、交通インフラ、電気・ガス、河川、港湾、山間など、対象地域や扱うデータの種類が幅広いため、部署ごとに適したAPIを契約し、活用しているそうだ。また、外出自粛期間中のテレワーク時には、使用PCを固定せずにライセンス利用ができるArcGISProを導入し、どこからでもGIS情報にアクセスできる環境を整えたことで、自宅からでも滞りなく業務にあたることが可能になったという。
◎esriジャパン「ArcGIS」:https://www.esrij.com/products/arcgis/
自ら見て、考え、行動する。次世代型の安全講習を実現する「3軸VRシュミレーター」
VRを装着した来場者が見ているのは、今まさに自分が労働災害の当事者として危険に面しているその場面だ。このシミュレーターを使えば、誰でも体験型の安全講習を実施することができる。
単に映像を見るだけではなく、コントローラーを操作したり自分の身体の向きを変えながらコンテンツに参加することで、よりリアルに危険発生時の状況を体験できるというものだ。
選択できるコンテンツは、墜落、火災、関電、落下、転覆、挟まれ、窒息、衝突、粉塵爆発など、計10コンテンツものラインアップがあり(2021年7月時点)、順次追加されていく予定だそうだ。オリジナルコンテンツの作成にも対応しているため、特殊な危険作業が発生する現場や外国人作業員向けのコンテンツ作成などにも役立ちそうだ。
◎明電システム・ソリューション▷ https://www.meidensha.co.jp/mss/system/sys_07/sys_07_01/index.html
現場とオペレーターのマッチングシステムを搭載。コベルコ建機の遠隔施工コックピット「K-DIVE COMCEPT」
レーシングゲームのコックピットを思わせるこちらのプロダクトは、コベルコ建機が提供する建機オペレーターのテレワークを叶える「K-DIVE CONCEPT(以下K-DIVE)」だ。
K-DIVEの大きな特長は、建機を遠隔操作できるだけでなく、クラウドマッチングシステムを搭載している点だ。現場で使用する建機と施工現場、そしてオペレーターのレベルに合わせたマッチングを行い、最適な現場での作業を提案するというもの。
このシステムを利用すれば、場所や時間などの制約がなくなり、オペレーターの就労の可能性を大きく広げるだろう。2025年の実用化を目指して開発を進めている。
◎コベルト建機 K-DIVE CONCEPT ▷ https://www.kobelcocm-global.com/jp/innovation/technology/kdive/
次回の「vol.2」記事では、新しいアプローチで土木・建設の未来を切り開くソリューションを紹介する。
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