ニュース
デジコン編集部 2025.12.3

前田建設工業、熊本市下水道で「硫化水素劣化予測」と「空洞点検ロボット」を実証。2026年3月の実用化目指す

CONTENTS
  1. 劣化予測シミュレーションと無人ロボットでリスクを可視化
前田建設工業は、熊本市上下水道局および管清工業と連携し、下水道管路の維持管理業務において、新たな劣化診断技術と点検ロボット技術の実証を開始したと発表した。

独自のシミュレーション技術と無人ロボットを活用することで、老朽化が進むインフラの予防保全と効率的な維持管理の実現を目指す。

劣化予測シミュレーションと無人ロボットでリスクを可視化


今回の実証は、熊本市中央区の下水道管路施設包括的維持管理業務の一環として行われており、中継ポンプ場やマンホールポンプなど計79箇所を対象としている。

検証される技術の一つ目は、「硫化水素劣化予測診断技術」である。

従来の手法では困難だった硫化水素の生成プロセスや管内温度などを考慮した国際的なモデル(WATSモデル)を用い、微生物による管路の劣化をシミュレーションする。


設置年度や材質といった基本情報に加え、実際の汚水サンプリングデータを組み合わせることで、管路全体の劣化リスクを可視化し、最適な更新計画の策定に役立てる。

二つ目の「空洞点検ロボット技術」は、無人で管路内を走行し、電磁波レーダーを用いて管路の外側に発生した初期段階の空洞を検知するものである。

従来の路面からの調査では発見が遅れがちだった空洞を早期に発見することで、道路陥没などの重大事故を未然に防ぐことが可能となる。

また、調査員が立ち入ることが難しい危険な管路内でも、遠隔操作によって安全に調査を行える点も大きなメリットである。



WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。