足利市とNEXT DELIVERY、ドローンを用いた災害時物資輸送ルートを構築。レベル3.5飛行で孤立地域へ配送

栃木県足利市とエアロネクスト子会社のNEXT DELIVERYは11月26日、大規模災害時を想定したドローンによる物資輸送の飛行ルート構築に向けた検証フライトを実施したと発表した。

今回の検証では、国土交通省が定める「レベル3.5」飛行を活用し、市内の人口集中地区（DID）を含むルートにおいて、自動航行による物資輸送の可能性を確認した。

DID上空を含む3ルートで検証を実施

足利市では近年、自然災害による被害が激甚化しており、災害時に孤立する恐れがある地域への物資輸送手段の確保が課題となっていた。

今回の検証フライトは、2024年1月の能登半島地震においてNEXT DELIVERYが実施した孤立地域へのドローン配送の実績を踏まえ、より実践的な防災インフラの構築を目指したものである。


検証に使用されたのは、エアロネクストとACSLが共同開発した物流専用ドローン「AirTruck」で、独自の機体構造設計技術「4D GRAVITY®」により、安定した飛行性能と荷物の保護機能を備えている。

飛行ルートは、土砂災害等により孤立が想定される地域を結ぶ3つのルートが設定され、そのうち2ルートは人口集中地区の上空を通過するものとなった。

検証の結果、機上カメラによる安全確認を行う「レベル3.5」飛行において、補助員や看板の配置を簡略化した効率的な運用が可能であることが確認された。


運航管理は、山梨県小菅村にあるNEXT DELIVERYの拠点から遠隔で行われ、現地の離着陸地点では地元企業の両毛丸善が機体管理や補助業務を担当した。

両毛丸善は、NEXT DELIVERYが提供するドローン人材育成プログラムを受講しており、地域企業が運航の一翼を担うことで、災害時にも迅速に対応できる体制づくりが進められている。