ケコム工法で掘削総延長距離3万m突破。立坑内人力作業不要で市場シェア1位獲得。コプロス社

コプロスは、ケコム工法による掘削総延長距離が3万m、総掘削土量27万平方メートルを突破したことを発表した。

最も難しい直径3.5m以上の大口径分野で特許を取得しており、立坑内での人力作業が不要な工程全てを専用機械施工とすることで、短納期化ニーズに対応し市場シェア1位を獲得している。

老朽下水管更新の短納期化ニーズに対応

老朽化した下水管の多くは道路の下にあり、交換工事のためには掘削が必要である。

特に都市部での工事では、通行止めの時間を少なくし、近隣住民への振動・騒音を減らすために工事の短納期が求められる。

また深刻な人手不足対策として、人力を必要とする工程を減らすことも必要とされている。

高度成長期に整備された下水管の多くは老朽化が進み、更新時期を迎えている。

耐用年数を過ぎていても、維持管理のための予算や人手不足の影響を受け、更新が遅れているのが現状である。

その間にも、下水道管の老朽化が原因と見られる事故が全国各地で相次いでいる。

国土交通省は埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故を受けて、設置後30年以上が経過した大型下水道管の全国調査の途中経過を9月に発表した。

調査によると、緊急度1と判定された要対策延長は約72kmで原則1年以内の速やかな対策が必要と見込まれ、空洞も6ヶ所発見されている。

また、老朽化のリニューアルだけではなく、豪雨対策も求められており、新設管の需要増加も見込まれている。

1982年開発の立坑構築工法で多数の受賞歴

ケコム工法とは、コプロスが1982年に自ら開発した立坑構築工法だ。

下水道やガス管の敷設、また高層建築の土台など「穴を掘る」需要において、静音性や安全性、また他の類似工法では不可能な大深度大口径工事への対応力が評価され、実績を積み重ねてきた。


日本推進技術協会黒瀬賞や建設機械化協会奨励賞、国際非開削技術協会NO-DIG賞など、多くの技術に対する受賞歴を有している。

ケコム工法を開発したのは、コプロスの宮崎衛前社長で1982年、小口径管推進工事に取り組んだ際に岩石や地下水に大いに悩まされたことから、ケーシング工法をベースとして自走式小型立坑機を開発し、その技術を推進用立杭にも発展させた。

大手ゼネコンをはじめ多数の依頼に基づき全国で施工を行っており、業界内では「コプロスは知らなくてもケコムの名は知っている」と言われるほど浸透している。