ツール紹介
デジコン編集部 2025.11.20

カシスト社、職人教育DX支援「技能承継チャレンジプログラム」を開始。ベテラン技能を動画教材化し98,000円で提供

CONTENTS
  1. 特許出願済みスキル抽出技術で暗黙知を構造化
職人教育支援ソリューション「カシスト」を展開するカシスト(鹿児島県鹿児島市)は、建設・製造・インフラ業界の教育部門向けに「技能承継チャレンジプログラム」を開始した。

特許出願済みのスキル抽出技術を活用し、ベテラン技術者の動作や判断を観察・抽出して教材化する一連のプロセスを98,000円(税別)で体験できるプログラムで、初回利用企業を対象に上限4本までの教材制作を支援する。

特許出願済みスキル抽出技術で暗黙知を構造化


建設業では就業者のうち55歳以上が約35.9%を占める一方、29歳以下は約11.7%にとどまっており、若手とベテランの極端な年齢構造が技能承継の空洞化を予兆している。

同社は、こうした課題に対応するため、現場教育をDX化する職人教育支援ソリューション「カシスト」を提供してきた。

今回開始する「技能承継チャレンジプログラム」は、教育・人材開発部門を対象に、ベテラン技術者の動作や判断を観察・抽出し、教材化・可視化・効果測定までを一貫支援する内容となっている。

既にβ版導入企業で成果を上げた教育ノウハウをもとに、教育のデジタル化にこれから取り組む企業はもちろん、既に取り組んでいる企業の改善・再設計にも対応する。

プログラムの仕組みは、まず現場の動作・判断を観察し技能要素をデータ化する「観察」から始まる。


次にスキル抽出技術で熟練者の暗黙知を構造化する「抽出」を行い、動画教材を編集して判断意図や注意点を可視化する「教材化」へと進む。

最後に理解度・習熟進度を定量化し教育改善へ活用する「可視化・効果測定」までを実施する。

プログラムの特徴は、ツール導入ではなく現場観察から教育設計までを伴走支援する点にある。

教える人の経験に依存しない育成プロセスを構築し、外国人技能実習生や海外拠点への展開にも対応する多言語・多業種対応を実現している。

3か月で技能教材の整備から効果測定まで完了可能な短期間での効果体験も特徴だ。

導入による主な効果として、若手・外国人社員の早期戦力化、教育担当者の負担軽減と育成スピード向上、技能・教育ノウハウの社内共有と継承、現場教育の再現性・標準化の向上、教育成果の可視化と評価制度への活用が挙げられる。

同社が公開した導入事例によると、解体工事業では従業員約85名の企業がモンゴル人技能実習生を受け入れており、新人・外国人材ともに現場で覚えるしかない状態だった。

同社のソリューションにより、現場の共通言語や解体足場の仮設、重機アタッチメント交換など合計11本の教材とテキスト4セットを制作し、実習生たちの理解度が向上した。

別の例では、建設業の外装塗装・防水工事を手がける従業員13名の企業では、技能実習生への技術指導の属人化やヒヤリハットの多さが課題だった。

入社1週間以内向けから中難易度スキル、安全教育・多能工スキルまで合計22本の教材とスキル習得度評価制度、習得・閲覧管理クラウドシステムを導入し、スキル習得度を社員同士が自然に競い始めるなどの効果が表れている。

料金体系は98,000円(税別)で、カシストの初回利用企業が対象となり、上限4本まで制作できる。北海道・東北・離島・一部地域は除外される。





WRITTEN by

デジコン編集部

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