戸田建設らが、マルチタスクロボットの実証検証を実施。清掃・警備・点検・データ取得を一体化し維持管理業務を効率化

戸田建設は、CYBERDYNEやセック、川崎重工業、産業技術総合研究所、名城大学、キビテクと連携し、自社施設内TODAtteにて、マルチタスクロボットの活用に関する実証検証を行った。

本実証検証は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムSIP第3期の一環として実施されたプロジェクトである。

既存建築物の維持・再生における人手不足に対応

日本社会は、人口減少と高齢化による人手不足という深刻な課題に直面している。

一方で、建設業界を取り巻く環境も、従来の新築中心から既存建築物の維持・再生の重要度が一層高まりつつあり、建設の維持管理業務においても技能労働者の確保や生産性向上が急務となっている。

こうした状況の中、戸田建設は総合建設業として長年培ってきた技術力とノウハウを活かしつつ、ロボットやセンサー、AIによるデータ活用を組み合わせることで、改修工事や維持管理業務において、より効率的で付加価値の高いサービスの提供を目指している。


ロボット業界においては、技術の進展により単一作業に特化したロボットから、複数の業務を担うマルチタスク型ロボットへのニーズが高まっており、収益化の面からも大きな効果が期待できる。

さらに、人と協調して作業するロボットを導入することで、施設の維持管理業務の効率化が見込まれ、限られた人材資源の有効活用にもつながる。

こうした背景を踏まえ、ロボットを活用した建物維持管理業務の効率化に有効な建設関連データの収集および検証を目的として、実証検証を行った。

実証検証の内容は、CYBERDYNEの業務用清掃ロボットをベースとして、上部にカメラやセンサー等を配置し、清掃をしながら建物や設備の複数のデータ取得を行い、そのデータが建物の維持管理業務の効率化に活かせるかどうか検証を行った。

TODAtteは戸田建設本社屋TODA BUILDING 8階に開設された戸田建設のミュージアムである。

今後は、今回得られた知見をもとに、ロボットによる多機能化とデータ活用の高度化を図りながら、既存建築物の維持・再生における付加価値の高いサービス提供に向けて、技術開発の強化を進めていくとしている。