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デジコン編集部 2021.12.6

NECとコベルコ建機、技術開発協定を締結。建機の遠隔操作の普及目指す

コベルコ建機と日本電気(NEC)は、建設現場のより働きやすい作業環境の実現に向けて、現場作業の遠隔化・建設現場の自律化を目指し、建設機械の遠隔操作の普及に向けた技術開発協定を締結したと発表した。

コベルコ建機が推進する「働く人を中心とした、建設現場のテレワークシステム」K-DIVE CONCEPT※1とNECが提供する「重機遠隔操縦サービス」※2を相互連携することにより、最新鋭の遠隔操作システムと高度な無線ネットワーク技術が融合し、より高度で安定した建設機械の遠隔操作の実現が可能となる。

コベルコ建機は、「誰でも働ける現場へ KOBELCO IoT」をテーマにICTロードマップを策定し、その実現に向けて中長期的に研究・開発を進めています。そのひとつの柱であるK-DIVE CONCEPTは、建設機械の遠隔操作とクラウドマッチングシステムを融合させることで、特定の人・場所・時間などの制約を受けずに、建設現場での施工が可能となる「建設現場のテレワーク化」を目指している。

NECは、建設機械の操縦者が長時間にわたって安定した遠隔操作を行うことができる「重機遠隔操縦サービス」を提供しており、本サービスは、適応遠隔制御技術※3によって、建設機械の遠隔操作において最も重要となる無線環境下での安定的な映像配信とスムーズな遠隔操作を可能にする。NECは「重機遠隔操縦サービス」のみならず、NECのAIや通信の技術などと他社のサービスや技術とのさらなる連携も進めていく。

写真:我孫子事業場内実証フィールドでの遠隔操作の様子


両社は、本協定に基づく取り組みの第一弾として、コベルコ建機五日市工場(広島)に設置したK-DIVE CONCEPTのコックピットとNEC我孫子事業場(千葉)の実証フィールドにある油圧ショベルを、NECの「重機遠隔操縦サービス」を用いて接続し、安定した映像配信とスムーズな作業操作が可能か検証する実証実験を実施。

結果として、両社のシステムを連携した場合でも、お互いのシステムの性能(通信状況、作業性等)を損なうことなく遠隔操作が可能であることを実証できたとともに、より多くのユーザーに遠隔操作が可能な環境の提供に向けて大きく前進した。



※1“K-DIVE CONCEPT"とは、コベルコ建機が研究・開発を進める、次世代遠隔操縦技術を用いた「働く人を中心とした、建設現場のテレワークシステム」のこと。
※2 NECが提供する「重機遠隔操縦サービス」は、建設現場にWi-Fiやローカル5Gなどの無線ネットワークを構築し、現場のカメラ映像を遠隔地にいる操縦者がリアルタイムに確認しながら重機を操縦できるようにするもの。本サービスにはNECが開発した、通信の実効伝送量を予測し、伝送量に見合う安定した映像伝送と操作を可能とする適応遠隔制御技術を活用している。
※3 適応遠隔制御技術:通信の実効伝送量を予測し、伝送量に見合う安定した映像配信と制御が可能な技術。本技術の活用により、映像配信の遅延を予測して安定した映像を伝送するとともに、建機操作コマンドの到達遅延も予測し、操作の行き過ぎの発生を抑制することが可能。

WRITTEN by

デジコン編集部

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