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デジコン編集部 2025.11.5

ispaceが立命館大学と宇宙戦略基金事業に採択。月面拠点建設を実現する測量・地盤調査技術を確立へ

CONTENTS
  1. 月面基地建設の実現に向けランダーとローバーの開発経験を活用
ispaceは、JAXAが実施する宇宙戦略基金事業の公募テーマ「月面インフラ構築に資する要素技術」において、立命館大学を代表機関とするプロジェクトチームの提案が採択されたと発表した。

月面での建設施工や資源開発に必要な測量・地盤調査システムを開発する。

月面基地建設の実現に向けランダーとローバーの開発経験を活用


ispaceは立命館大学が代表機関を務める技術開発テーマに協力機関として参画し、月面での建設施工や資源開発に必要な高精度の地形データを取得する。

同時にレゴリスの土質特性や地層構造を把握するための「測量・地盤調査システム」を開発し、整地や造成、道路建設、地盤改良といった土木構造物の設計体系を確立する。

ispaceはこれまでのランダー(月着陸船)やローバー(月面探査機)の開発、地上における実証経験、そして宇宙空間での運用経験をもとに、本プロジェクトの成功に寄与する。

ispaceは「Expand our planet. Expand our future. 人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業である。

2022年12月には初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了し、2025年1月にはミッション2の打ち上げも完了した。

これらはランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化を目的としたミッションであり、結果としてispaceは月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することができた。

2027年には米国法人が主導するミッション3の打ち上げを予定しており、NASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画である。

さらに2028年には経産省SBIR補助金を活用し、現在日本で開発中のシリーズ3ランダーを用いたミッション4の打ち上げを予定している。

月面開発の事業化を通じシスルナ経済圏を構築することをビジョンに掲げるispaceにとって、月面拠点建設を実現するための測量・地盤調査技術の確立というテーマは重要な意義を持つ取り組みとなる。



WRITTEN by

デジコン編集部

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