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デジコン編集部 2025.10.23

前田工繊が羊毛製植生シート「エコシープ」を発売。廃棄羊毛を活用しCO2排出量25%削減

CONTENTS
  1. 羊毛のフェルト構造が土壌に密着、保水性と断熱性で植物の生育を促進
前田工繊は、動物繊維製土壌流出防止工「エコシープ」を発売した。

従来廃棄されていた羊毛を原料の一部として活用し、生分解性でプラスチックフリーの環境配慮型製品として、法面の侵食防止と植生促進を実現する。

羊毛のフェルト構造が土壌に密着、保水性と断熱性で植物の生育を促進


頻発する豪雨災害などにより侵食を受けやすい土壌や、乾燥等による植生不良の懸念がある法面に対応する。

エコシープは、元は廃棄物であったものが防災・減災製品として生まれ変わり、施工後は植物の成長を助け、CO2削減に寄与するといった効果を発揮し、持続可能な未来へ繋がるサステナブルな製品だ。


製品の特長として、第一に環境負荷が低い点が挙げられる。原料に石油由来の素材を用いておらず、土壌微生物により完全に分解される。

第二に侵食防止性能が高い点だ。羊毛の柔らかなフェルト構造が土壌に密着し、雨水等による法面侵食を抑制する。


第三に植生性能が高い点だ。エコシープは保水性や断熱性が高いため、植物を乾燥・温度のストレスから守り、生育環境を改善する。

また、羊毛繊維は主にタンパク質から構成されているため、分解後は肥料成分として植物の生育を促進する。

エコシープは、動物性の羊毛不織布と植物性の麻ネットでできており、全ての素材が生分解性の環境配慮型資材である。




施工後、現場の土壌微生物によって分解され、マイクロプラスチックなどの有害物質を発生させないため、生態系への悪影響を及ぼさない。

CO2削減効果として、エコシープは副産物羊毛を主原料とした植生シートで、従来の化学繊維製品と比べ製造時のCO2排出量を約25%削減可能であると推定している(前田工繊試算)。

また、羊毛繊維には天然の肥料効果があり、化学肥料の配合量を低減する。

化学肥料は製造時に大量のCO2を排出するものであるため、羊毛繊維を用いることでCO2排出削減に貢献する。

前田工繊は1972年の設立以来、インフラの整備・維持に携わる会社として、土木資材の製造・販売ならびに各種繊維を原料とした産業資材および不織布の製造・加工・販売を行ってきた。





WRITTEN by

デジコン編集部

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