行政・政策
デジコン編集部 2025.10.10

国交省、台湾の河道閉塞災害対応を支援。ヘリ設置可能な水位観測機器を提供

CONTENTS
  1. 世界に類のない土砂災害対策の経験を活かし湛水池の水位をリアルタイム観測
国土交通省は、台湾の河道閉塞災害に対する支援として、ヘリから設置が可能な観測機器を日本台湾交流協会を通じて提供する。

世界に類のない土砂災害対策の経験を活かし湛水池の水位をリアルタイム観測


台湾の花蓮県萬栄郷馬太鞍渓上流域において、今年7月末の大雨で形成された河道閉塞が、台風第18号による集中豪雨の影響により9月23日に決壊した。

大量の土砂とともに湛水していた水が流下したことにより下流側の市街地で氾濫が生じ、甚大な被害が発生した。

現在も、当該河道閉塞は一部が残存し、決壊すれば、再度下流で災害を引き起こすおそれがある状況だ。

下流の警戒避難のためには、湛水池の水位観測が不可欠だが、現在の周辺の地形状況から、決壊時に流失した従来の水位計の設置および観測が困難となっている。

こうした状況を踏まえ、台湾側より日本台湾交流協会を介し、湛水池の水位をリアルタイムで観測できる日本の観測機器の提供について、支援の要請が届いた。

我が国では、これまでに地震や豪雨により幾度も河道閉塞が形成され、国土交通省でも緊急に対策を行ってきた。


こうした世界に類を見ない土砂災害対策の経験を活かし、我が国が開発したヘリから設置が可能な観測機器を、台湾に対する災害支援として日本台湾交流協会を通じて提供することとした。

本機は、10月16日に台湾へ向けて発送される予定となっている。

ヘリから設置が可能な観測機器は、日本が世界に類のない土砂災害対策の経験をもとに開発したもので、湛水池の水位をリアルタイムで観測できる。
(過去の災害における水位観測ブイの活用)

従来の水位計では設置が困難な地形状況でも、ヘリコプターから設置できるため、緊急時の対応に適している。

今回の支援は、9月に河道閉塞の決壊により大きな被害を受けた台湾へ、さらなる災害の脅威となっている残存した河道閉塞に関し、警戒避難に不可欠な湛水池の水位観測を支援するものだ。



WRITTEN by

デジコン編集部

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