大成建設が測位情報を3次元表示するシステムを開発。建設現場の作業効率化を実現

大成建設は、生産プロセスのDXの一環として、建設現場で取得した測位情報をリアルタイムに処理し、3Dモデルとして表示できる新システムを開発した。

GNSS測量機の測量支援アプリとSketchUpを連携

本システムは、GNSS測量機を活用する測量支援アプリ「Field Checker」と3Dモデリングソフト「SketchUp」を連携させたもので、測位情報に基づく迅速かつ正確な施工管理を可能にし、建設現場の作業効率化と生産性向上を実現する。

Field Checkerは、建設現場の施工管理をデジタル技術で支援する同社の統合プラットフォーム「T-iDigital Field」に搭載された測量支援アプリだ。

従来は2人で行っていた建設現場での簡易測量作業を1人で実施することができ、リアルタイムで測位データの記録・共有を可能にする。

2023年の開発・導入以降、同社およびグループ各社の建設現場で広く活用されている。

しかし、従来のField Checkerで得られた測量結果は、2次元マップの表示にとどまり、3Dモデル作成には別途CADソフトなどを活用する必要があった。

また、測量チェックを行う際には、図面から読み取った座標値を手入力しなければならず、作業の手間や入力ミスの可能性があることから、操作性など使いやすさについて課題があった。


同社は、これらの課題を解決するために、測量支援アプリField Checkerと3DモデリングソフトSketchUpを連携させることで、建設現場の測位情報をリアルタイムに処理し、3Dモデルとして表示できる新たなシステムを開発した。

測量支援アプリField Checkerで測位した座標データを3DモデリングソフトSketchUpに取り込むことで、測位点の位置情報や設計モデルとのズレをリアルタイムに3D空間で表示・確認することができる。これにより、設計検討の効率化や意思決定の迅速化が図れる。

また、3Dモデル上で測位点の座標データを任意に指定しクラウド経由でField Checkerに取り込むことができる。

新搭載した「測量チェック」機能により、座標データを手入力することなく、3Dモデル上で指定した測位点を現地で確認し、作業員を測位点に誘導することが可能だ。


同社は今後、複数の建設現場でテスト運用を行いながら、本格導入に向けて機能改善を進める。