国交省。NETISに「AI技術比較機能」を実装。類似技術を自動抽出しワンクリックで比較表を作成

国土交通省は2025年10月1日、新技術情報提供システムであるNETISの利便性向上を図るため、AIにより類似技術を自動抽出し比較表を作成する新機能を実装したと発表した。

数時間から数日かかる作業をワンクリックで実現

同省が運用する新技術活用スキームは、民間事業者等により開発された有用な新技術を公共工事等において積極的に活用し、技術開発を促進していくための仕組みである。

新技術活用スキームは、NETISを中核とし、新技術情報の収集と共有化、直轄工事等での活用、効果の検証・評価、さらなる改良と技術開発といった一連の流れを体系化したものである。

今回、NETISの利便性向上を図るべく、掲載されている申請情報を元にAIにより検索した技術と類似した技術を抽出し、自動的に比較表を作成する機能を実装した。

NETISとは、公共事業が抱える様々な課題に対し、民間企業などで開発された技術を募集し、新技術情報をインターネット上に公開し、検索を可能にしたデータベースシステムである。

申請情報と評価情報から構成され、申請情報は技術開発者からの申請に基づく情報であり、評価情報は当該技術の活用等を行った結果に基づき評価を行ったものである。

現在の掲載技術数は約3800件となっている。

従来のNETISにはデータベース機能しかないため、すでに公表しているテーマ設定型技術カタログ以外の技術の比較検討には、一定程度の技術的知見・経験が必要であり、手間もかかる状況だった。

新機能により、NETISに掲載されている全ての技術から簡易な比較表を作成できる機能を搭載し、技術比較検討を容易にすることで、自治体や工事・設計受注者の新技術の活用を促進する。

従来は、工事等で必要となる技術分野の新技術を調査し、複数の新技術を抽出して比較検討し、採用する技術を決定するまでに数時間から数日を要していた。

新機能では、NETISでニーズに該当する技術を1つ検索し、技術比較表作成ボタンをワンクリックするだけで、AIが比較表に載せる技術を選択し、簡易な比較表を作成する。

比較表には、技術名称、NETIS番号、アブストラクト、技術写真、技術概要、経済性、品質・出来型、施工性、技術の位置付けなどが含まれる。

主な利用場面として、発注者は工事発注時の技術選定、施工者は工事に使用する技術の選定、コンサルタントは設計業務での比較検討、開発者・技術事務所はNETIS登録時の類似技術確認などが想定されている。