ニュース
デジコン編集部 2025.8.20

大成建設、国内初の無線電子雷管機械装填によるトンネル発破に成功。切羽から1.5m離れた位置で安全性向上

CONTENTS
  1. 従来の手作業による結線作業を完全に機械化
大成建設は、国道13号新及位トンネル工事において、無線電子雷管を用いた機械装填でのトンネル発破を国内で初めて成功させた。2025年8月4日に実施した試験発破では、独自開発の爆薬装填装置「T-クイックショット」を使用し、約60m3の岩盤を対象とした。

従来の手作業による結線作業を完全に機械化


これまでトンネル発破作業では有線式雷管が使用されており、装薬後に雷管の脚線を作業員がすべて手作業で結線する必要があった。

そのため岩盤の肌落ちリスクのある切羽近傍での作業に時間を要し、作業員の安全性や生産性に課題があった。

今回の取り組みでは、機械式爆薬装填装置「T-クイックショット」を用いて、切羽から1.5m離れた位置から無線電子雷管を含む爆薬を機械的に装填した。

無線電子雷管の使用により、これまで人力で行っていた切羽近傍での雷管の結線などの作業が不要となった。


その結果、爆薬の供給から装薬孔への装填まで完全な機械装填を実現し、装薬作業における作業員の安全性と生産性の大幅な向上が期待される。

この技術は内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期の「スマートインフラマネジメントシステムの構築」における研究開発成果として位置づけられている。

今後は関係各署と連携し、無線電子雷管を用いた試験発破の継続的な実施と信頼性向上を図るとともに、取り扱いマニュアルや関連基準類の整備を進める方針である。




WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。