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デジコン編集部 2025.8.1

大林組、MR品質管理システム「holonica」を大幅刷新。協力会社も利用可能となり検査業務の25%省力化を実現

CONTENTS
  1. スマートフォン版Webアプリ追加で是正指示の所要時間を約90%削減
大林組は7月29日、MR技術を利用した品質管理システム「holonica」の大幅アップデートを行ったと発表した。

協力会社向けの閲覧・利用機能を追加し、検査から是正完了確認までの一連の業務フローをデジタル空間上で完結できるようになった。

スマートフォン版Webアプリ追加で是正指示の所要時間を約90%削減


holonicaは2021年に開発されたMR品質管理システムで、現実空間とBIMデータに基づく3Dモデルを正確に重ね合わせ、工事進捗や検査情報を記録する機能を持つ。

2024年度までに50件超の大林組の建設現場で試行・適用されている。

従来はシステムが社内利用に限られていたため、検査後の協力会社への是正指示や是正作業後の確認は紙出力や別のアプリで行われていた。

このため指示内容の伝達や是正後の報告に際し手間や制約が生じるほか、紙や別アプリから情報を読み取る際のヒューマンエラーの発生リスクなどの課題があった。

今回のアップデートでは協力会社向けの閲覧・利用機能にスマートフォン版Webアプリを追加している。

これにより仕上げ検査時における指摘事項の入力から是正完了確認までの一連の業務フローをシステム内で完結することが可能となった。


協力会社への情報伝達時の事務処理が削減され、指摘事項の見落としや認識の齟齬などの発生リスクが解消されることで、確実かつ迅速な情報伝達を実現している。

スマートフォン版Webアプリの追加に伴い、管理用のPC版Webアプリと施工管理者が利用するiPadアプリの構成を最適化し、ARマーカーの配置の自由度を向上させるなど機能の改善も行っている。

アップデート後のholonicaを使った検査は、従来の検査手法と比べて約25%の省力化を実現した。

是正指示内容の整理と発行、ならびに指示内容の伝達や是正完了時の報告に関わる所要時間を約90%削減できていることが大きく寄与している。

holonicaは検査モードからビューモードに設定を切り替えることで、さまざまな施工管理に利用可能である。

コンクリートの打設前の現場に打設後のBIMデータを重ね合わせることにより、スリーブや開口の位置・個数などを確認できる。



WRITTEN by

デジコン編集部

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