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デジコン編集部 2025.7.23

LibWork、国内初の土を主原料とした3Dプリンター住宅完成。約100㎡で2025年8月販売予約開始

CONTENTS
  1. セメント不使用で強度5倍向上、IoT技術とテスラ製蓄電池で自給自足型住宅を実現
LibWork(東証グロース・福証Q-Board)は7月22日、国内初となる土を主原料とした一般住宅用の3Dプリンター住宅「Lib Earth House model B」を熊本県山鹿市鹿央町に完成させたと発表した。

生成AIによる設計と3Dプリンターによる施工を融合した完全自動住宅建設に向けた取り組みで、世界初のAIによるフルオート住宅建設の実現を目指す。

セメント不使用で強度5倍向上、IoT技術とテスラ製蓄電池で自給自足型住宅を実現


住宅業界はこの50年以上にわたり、工法・素材・構造のいずれにおいても本質的な変化がほとんど見られず、依然として従来型の枠組みに留まっている。

これに対し、自動車業界をはじめとする他の産業分野では、EV化や自動運転といったテクノロジーの進展により急速な変化が進行している。

世界的な住宅不足や熟練建設労働者の慢性的な不足といった建築業界の構造的課題に加え、循環型社会や脱炭素社会の実現に向けた取り組みの重要性も年々高まっている。



同社は3Dプリンター技術と自然素材の組み合わせにいち早く着目し、第一作となる「model A」での実証・検証を経て、さらに強度・施工性・意匠性を高めた「model B」の開発・完成に至った。

今回完成した「Lib Earth House model B」の壁は産業廃棄物になるセメントを一切使わず、土を主原料に天然由来の素材だけで作られたサステナブルな土壁の開発に成功した。

セメントを一部使用していた旧モデル(model A)に比べて強度は約5倍に向上し、また製造プロセスそのもののCO2負荷を大幅に低減したことも大きな特徴である。

今回の開発に伴う発明は特許出願中であり、知的財産の保護及び競争優位性の確立に努めている。

住宅内部には最新のセンサーを壁内に埋設し、壁内部の温湿度をリアルタイムでモニタリングする「壁内結露監視システム」を導入している。

このシステムにより、住宅自らが自身の健康状態を管理し、結露や素材の劣化を事前に察知することで、長寿命で快適な居住環境を維持する。

IoT設備を標準装備し、エアコン、照明、お風呂の操作までスマートフォンや専用モニターで遠隔操作可能である。

スマート玄関ドアには顔認証システムを導入し、鍵不要の安心で安全な暮らしを実現している。

住宅にはテスラ社の蓄電池「Powerwall」と太陽光発電パネルを組み合わせたオフグリッドシステムを採用している。

外部の電力会社に依存せずに電気の自給自足を実現したサーキュラーエコノミー志向の住宅が完成した。

同社は2025年8月より販売予約を開始し、設計から施工までAI技術を活用した世界初の完全自動住宅建設の実現を目指す。




WRITTEN by

デジコン編集部

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