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デジコン編集部 2025.7.2

大成建設、T-iDigital Fieldにトンネル掘削作業連動の工事設備自動運転制御機能を追加。換気設備とベルトコンベアを最適化し電力消費量とCO2排出量を大幅削減

CONTENTS
  1. 掘削サイクルに応じた換気設備風量調整と契約電力量超過防止で施工現場の電力管理を最適化
大成建設が「生産プロセスのDX」の一環として、統合プラットフォーム「T-iDigital Field」に山岳トンネル掘削作業の進捗状況に合わせて複数の工事設備を自動で運転制御する機能を追加した。

換気設備や掘削土砂搬出用ベルトコンベアなど複数工事設備の連携により運転の最適化を図り、電力消費量とCO2排出量の大幅な削減を実現した。

掘削サイクルに応じた換気設備風量調整と契約電力量超過防止で施工現場の電力管理を最適化


山岳トンネル工事では掘削サイクルを繰り返しながらトンネルを構築するが、掘削サイクルにより粉塵の発生量が異なることから、切羽後方で稼働する送風機や集塵機などの換気設備運転を最適に行う必要がある。

ずり出しをベルトコンベアで行う現場では掘削サイクルの進捗状況によっては、各工事設備の稼働が一時的に集中することで電力使用量が急増し、契約電力量の超過が生じるという課題もあった。

建設現場全体の電力消費量を管理する技術が求められていた状況である。

大成建設はT-iDigital Fieldの新たな機能として、山岳トンネル掘削作業の進捗状況に合わせて複数の工事設備を連携し、自動で運転制御して最適化できる機能を追加。

この新機能を活用することで、坑内の粉塵濃度に応じた換気設備の風量調整や建設現場全体の電力使用量を適切に管理することができる。

(工事現場全体の電力消費量コントロール機能の概要)


施工に伴う電力消費量とCO2排出量の大幅な削減および契約電力量超過防止を実現することが可能となった。

T-iDigital Fieldに追加した機能による工事設備運転について、施工中の山岳トンネル工事で導入・検証を実施した。


(換気設備の自動運転制御機能の概要)

検証の結果、電力消費量とCO2排出量の大幅な削減効果が確認された。さらに、建設現場の契約電力量超過を未然に防止する効果も確認されている。

従来は作業員が手動で各設備の運転制御を行っていたが、自動化により人的ミスの削減と効率的な運転管理が実現された。


WRITTEN by

デジコン編集部

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