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デジコン編集部 2025.5.23

Solvvyとハイクリ、AI老朽化診断の実証実験開始。埼玉県道路陥没事故受け公共水道インフラ対策強化

CONTENTS
  1. 深層学習モデルで故障リスク予測。限られたデータでも高精度診断を実現
Solvvyは5月23日、ハイクリと共同で公共水道インフラに対するAI老朽化診断の社会実装に向けた実証実験を開始すると発表した。

埼玉県八潮市の道路陥没事故を背景とした全国的な水道インフラ調査への対応策として期待される。

深層学習モデルで故障リスク予測。限られたデータでも高精度診断を実現


今回の実証実験では、ハイクリが開発した水道管網特化の深層学習モデルを活用する。

同モデルは過去の故障データ、管路接続関係、環境要因を総合的に考慮し、限られたデータ量でも高精度な予測を可能にする点が特徴だ。

地方自治体が保有する水道管データをAIで分析し、故障リスクの予測と劣化進行状況の可視化を実施する。


診断結果を基に適切な維持管理計画の策定をサポートし、データ整理から診断、レポーティングまでを一貫して提供する仕組みだ。

ビッグデータ解析により予測精度の継続的な向上も図られ、データ整理から故障予測までの全プロセスをハイクリが担当することで低コストでの高性能分析を実現している。

さらにSolvvyと地方自治体の保有データを組み合わせることで、労働力不足に悩む地方自治体の課題解決を目指す。

背景には今年1月の埼玉県八潮市での下水道管による大規模道路陥没事故がある。

この事故を受け、国は専門家委員会を設置し、全国の下水道管を対象とした一斉調査を実施する方針を確認している。

調査実施は国が自治体に要請する見通しで、調査対象や手法は各地方自治体の検討に委ねられる状況だ。

Solvvyは本実証実験を通じて、今後は住宅の水道設備における故障予知モデルへの応用も視野に入れている。

同社が得意とする保証やメンテナンス技術と組み合わせることで、住宅水道設備の長寿命化と新たなメンテナンスモデルの確立を目指す方針だ。



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