
大林組はトヨタ自動車未来創生センター、豊田中央研究所、大林道路と共同で、短時間で交換可能な高機能化舗装「マルチペイブ™」を開発した。
技術研究所に実物大モックアップを構築し、路面発光やワイヤレス給電、透水機能など、次世代モビリティに対応する多機能性を実証した。
交通インフラを取り巻く環境は、自動車の電動化や自動運転に加え、非接触給電や路車間通信などの新技術登場により大きく変化している。
これらの技術普及には迅速・容易に道路を更新する仕組みが求められるが、既存のアスファルト舗装では再施工や地下埋設物の更新に多大なコストや時間がかかることが課題となっている。
また現代の道路には、耐久性だけでなく交通事故軽減のためのドライバーへの視認性向上や、増加する集中豪雨による冠水対策も求められている。
こうしたニーズに対応するため、4社は従来のアスファルト舗装に代わる新たな舗装構造「マルチペイブ」を開発した。

マルチペイブは、下面に溝を設けた高機能化路版同士を敷砂上に設置し、ゴム付き連結板で固定する構造となっている。
交換性を重視して目地部には目地砂を使用していないため、容易に設置・取り外しが可能である。

連結板は施工時の位置決めの目安になるだけでなく、路版にかかる車両の荷重を分散させて路版の沈み込みや破損を防ぐ機能も有している。
高機能化路版1枚当たりの重量は約115kgで、コンパクトな5t級クレーン機能付き油圧ショベルで設置・取り外し作業が可能となっている。
マルチペイブの施工性を検証するため、大林組技術研究所内の実証フィールドに幅3.9m×長さ6.6mの実物大モックアップを構築し、性能評価を実施した。

車両重量約20tのダンプトラックが走行した際の高機能化路版の隙間の変動幅は2.0mm以内で、設計値の4.0mm以内を満たしている。
また段差の増分は約97%をインターロッキングブロックの車道における維持管理の基準値である5.0mm以内に抑えることができた。
通常のインターロッキングブロック施工時は敷砂下の地盤や職人の習熟度の影響を受けるが、マルチペイブはゴム付き連結版に固定する構造上、段差が生じにくい特徴がある。
車両走行実験後、高機能化路版の取り外しから再設置までの交換作業時間を測定した結果、約5分で完了し、優れた施工性が確認された。

また、高機能化路版の側壁間に送信コイルと受信コイルを設置し、磁界を介して電力を伝送するワイヤレス給電技術を活用した路面発光表示機能付き路版も設置した。
この路版は横断歩道入口での歩行者の存在を感知すると、埋め込まれたLED光源が点滅する仕組みで、ドライバーに対して効果的に注意を促すことができる。
車両走行実験後に動作確認した結果、ワイヤレス給電やLED光源が正常に機能し、レンズに割れなどの大きな損傷がないことも確認された。

さらに、上層に厚さ30mmのポーラスコンクリート、下層に厚さ100mmの密実コンクリートで構成された透水性路版も設置し、性能評価を行った。
透水・排水性能評価試験では、注水開始から約8分後に注水量と排水量がほぼ均衡し、時間雨量100mm程度の降雨に対する排水機能を有することが確認された。
技術研究所に実物大モックアップを構築し、路面発光やワイヤレス給電、透水機能など、次世代モビリティに対応する多機能性を実証した。
約5分で路面交換可能なブロック構造で、LED発光機能や時間雨量100mm対応の排水性能を実現
交通インフラを取り巻く環境は、自動車の電動化や自動運転に加え、非接触給電や路車間通信などの新技術登場により大きく変化している。
これらの技術普及には迅速・容易に道路を更新する仕組みが求められるが、既存のアスファルト舗装では再施工や地下埋設物の更新に多大なコストや時間がかかることが課題となっている。
また現代の道路には、耐久性だけでなく交通事故軽減のためのドライバーへの視認性向上や、増加する集中豪雨による冠水対策も求められている。
こうしたニーズに対応するため、4社は従来のアスファルト舗装に代わる新たな舗装構造「マルチペイブ」を開発した。

マルチペイブは、下面に溝を設けた高機能化路版同士を敷砂上に設置し、ゴム付き連結板で固定する構造となっている。
交換性を重視して目地部には目地砂を使用していないため、容易に設置・取り外しが可能である。

連結板は施工時の位置決めの目安になるだけでなく、路版にかかる車両の荷重を分散させて路版の沈み込みや破損を防ぐ機能も有している。
高機能化路版1枚当たりの重量は約115kgで、コンパクトな5t級クレーン機能付き油圧ショベルで設置・取り外し作業が可能となっている。
マルチペイブの施工性を検証するため、大林組技術研究所内の実証フィールドに幅3.9m×長さ6.6mの実物大モックアップを構築し、性能評価を実施した。

車両重量約20tのダンプトラックが走行した際の高機能化路版の隙間の変動幅は2.0mm以内で、設計値の4.0mm以内を満たしている。
また段差の増分は約97%をインターロッキングブロックの車道における維持管理の基準値である5.0mm以内に抑えることができた。
通常のインターロッキングブロック施工時は敷砂下の地盤や職人の習熟度の影響を受けるが、マルチペイブはゴム付き連結版に固定する構造上、段差が生じにくい特徴がある。
車両走行実験後、高機能化路版の取り外しから再設置までの交換作業時間を測定した結果、約5分で完了し、優れた施工性が確認された。

また、高機能化路版の側壁間に送信コイルと受信コイルを設置し、磁界を介して電力を伝送するワイヤレス給電技術を活用した路面発光表示機能付き路版も設置した。
この路版は横断歩道入口での歩行者の存在を感知すると、埋め込まれたLED光源が点滅する仕組みで、ドライバーに対して効果的に注意を促すことができる。
車両走行実験後に動作確認した結果、ワイヤレス給電やLED光源が正常に機能し、レンズに割れなどの大きな損傷がないことも確認された。

さらに、上層に厚さ30mmのポーラスコンクリート、下層に厚さ100mmの密実コンクリートで構成された透水性路版も設置し、性能評価を行った。
透水・排水性能評価試験では、注水開始から約8分後に注水量と排水量がほぼ均衡し、時間雨量100mm程度の降雨に対する排水機能を有することが確認された。
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