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デジコン編集部 2025.5.20

日本の建設業就業者数は世界7位規模、女性・シニア活用進むも給与は相対低下。海外人材獲得に懸念。ヒューマンリソシア調査

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  1. 多様な人材活用は進展、女性就業率はG7トップの18.2%、シニア比率は米国の約3倍
ヒューマンリソシアは、世界134カ国の建設業における就業者数および給与動向を調査した「データで見る世界の建設人材動向レポート」を発表した。

日本は世界7位の就業者数を誇るが、給与面ではドル換算でG7最下位、アジアでも韓国やシンガポールを下回る結果となった。

多様な人材活用は進展、女性就業率はG7トップの18.2%、シニア比率は米国の約3倍


世界の建設業で働く就業者は、134カ国合計で1億8,164.7万人に達している。

地域別では豊富な労働力を抱えるアジア・太平洋地域が9,661.1万人と、世界の半数以上を占めている。


国別でみると、中国が5,367.0万人で1位、米国が1,238.3万人で2位、そしてインドネシアが892.9万人で3位となっている。

日本は483.0万人で7位に位置し、前年より4.0万人増と微増している。





前年比で最も就業者が増加したのはインドネシアで、前年より63.3万人増となった。

続いて30.0万人増のフィリピン、17.2万人増のナイジェリアと続き、いずれも労働力の豊富な国々が上位を占めている。

日本の建設業における女性比率は18.2%でG7諸国中トップとなっており、2019年の16.8%から5年間で1.4ポイント上昇している。


2位はドイツの15.2%、3位は英国の14.9%と続いている。

また、建設業就業者における65歳以上のシニア層が占める割合では、日本は2023年に16.8%とG7で最も高く、2位の米国(5.4%)の約3倍となっている。

これらのデータから、日本の建設業界は人材不足の背景から、女性やシニアなど多様な人材の積極活用を進めていることがうかがえる。

一方、建設業就業者の平均年収をUSドルベースで比較すると、日本は29,844USドルでG7諸国中最下位であり、前年から2.5%減少している結果となった。


G7トップは米国、2位はカナダで、7カ国中5カ国が前年より給与が上昇していることと比較すると、日本の相対的な地位低下が顕著である。

アジア諸国との比較では、韓国が38,691USドルでトップ、シンガポールが37,514USドルで2位、日本は3位という結果となった。


韓国が建設業における外国人労働者の受入れを拡大するなど、アジア地域での海外人材獲得競争は一層激しくなると予想される中、日本の給与水準が相対的に見劣りしつつある状況は、将来の人材確保に影響を及ぼす懸念がある。

日本の建設需要は、インフラ整備や大型建設需要などにより高止まりが続いているが、就業者数は過去10年間で30万人減少している。





WRITTEN by

デジコン編集部

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