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デジコン編集部 2025.5.16

鉄建建設とMODEがIoTと生成AIで高速道路工事の車線規制管理を効率化。現場監視時間を大幅短縮する実証実験に成功

CONTENTS
  1. GPS位置情報とカメラ映像のリアルタイム共有で現場確認時間を60分から3分に短縮
鉄建建設とMODE, Inc.は、高速道路リニューアルプロジェクトにおける車線規制管理の効率化を目的とした実証実験を実施し、IoTと生成AIの活用により現場管理の大幅な効率化に成功したと発表した。

GPS位置情報とカメラ映像のリアルタイム共有で現場確認時間を60分から3分に短縮


高速道路リニューアルプロジェクトの一環で進める床版取替工事は、車線規制により一般交通を確保しながら実施されている。

工事の安全性と効率化、交通の円滑化、地域社会への影響軽減の観点から、日々適切な規制帯管理を行うことが重要となっている。

今回の実証実験では、現場データを一元化するIoTプラットフォーム「BizStack」と、生成AIを活用したアシスタント機能「BizStack Assistant」を用いて効果的な規制帯管理手法の確立を目指した。

(左:BizStack上で一元化された車両規制帯情報 右:情報を入力する規制管理者 )

実験の結果、3つの大きな成果が得られた。

1つ目は規制帯情報の一元化による人的負荷の大幅軽減である。

従来、作業当日の規制帯設置の開始・終了時刻の確認は、現場常駐の規制管理者との無線または電話連絡で行われ、規制管理者への問い合わせが集中するという課題があった。

実証実験では、規制帯起点・終点および工事車両出入口の保安設備位置をGPSで計測し、「BizStack」上で情報を一元化した。

これにより、規制管理者への問い合わせ回数が大幅に減少し、人的負荷が軽減された。

さらに、外部サービスで提供される渋滞情報に基づき規制の判断を行えるようになったことで、担当者間の意思疎通や発注者からの問い合わせ対応がスムーズになった。

(規制箇所に設置されたカメラ映像)

2つ目はアプリ連携による現場状況のリアルタイム確認の実現である。

従来、作業開始後の規制状況や渋滞状況、規制帯内の作業状況を確認するために、移動時間を含め1日60分程度を要していた。

今回の実験では、地図上の規制帯の位置情報と現場に設置したカメラの映像を、「BizStack Assistant」と連携したチャットアプリで呼び出し、リアルタイムに確認できるようにした。

この結果、いつでもどこからでも現場状況を確認することが可能となり、1日あたり60分かかっていた確認時間が3分程度と大幅に短縮された。

3つ目は規制履歴の一括出力による報告業務の省力化である。

毎月の規制履歴を道路管理者に報告する際、従来は日毎の履歴を手動で集計・記録していたため、100分程度(1日5分×20日)の時間がかかっていた。

「BizStack」に実装した規制履歴の一括出力機能により、毎月の報告業務のための集計・記録作業が不要になり、転記ミス等なく情報の正確性も向上した。

両社は今後、位置情報とカメラ映像をシームレスに確認できるよう利便性の向上を図るとともに、現場のニーズに応じて「BizStack」上で一元化・可視化できるセンシング情報を追加することで、適用範囲の拡大を目指すとしている。




参考・画像元:鉄建建設プレスリリースより
 
WRITTEN by

デジコン編集部

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