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デジコン編集部 2025.5.15

Arent。上下水道CADソフト開発のスタッグを完全子会社化。今年3件目のM&Aでインフラ分野のDXを強化

CONTENTS
  1. 「バイ&ホールド型」M&A戦略で専門分野に特化したソフトウェアを連続取得。BIM連携・AI技術と融合し配管設計から申請図面まで自動化へ
Arentは、上下水道などのライフライン分野に特化した申請図面作成CADソフト「申請くんfシリーズ」を展開するスタッグの全株式を取得し、完全子会社化することを決定した。

「バイ&ホールド型」M&A戦略で専門分野に特化したソフトウェアを連続取得。BIM連携・AI技術と融合し配管設計から申請図面まで自動化へ


今回の買収は、Arentにとって2025年1月の構造ソフト、3月のPlantStreamに続く今年3件目のM&Aとなる。

本件により、スタッグが保有する業界特化型CADソフトウェアおよび関連ノウハウとArentのBIM連携・設計自動化・AI補助技術を融合させることが可能になった。

この技術統合によって、配管ルート設計から申請図面、水理計算・材料集計までを一気通貫で自動化し、インフラ分野におけるDXを強力に推進する計画である。

さらに、Arentが構築を進める「アプリ連携型プラットフォーム」の対象領域を、これまでの建築・プラントに加え、土木・インフラ領域へと拡張していく方針だ。


Arentは独自のM&A戦略として、カナダのConstellation Software社の手法を参考に自社の事業領域に最適化した「バイ&ホールド」型のアプローチを展開している。

この戦略は、有望なニッチ領域のプロダクトを適正価格で取得し、長期的に保有・成長支援することで、企業価値の着実な向上を目指すものである。

Arentの強みである開発力・UI/UX設計力を活かしてプロダクトの競争力を強化するだけでなく、営業面でも提案型アプローチ(いわゆる「キーエンス式営業」)を導入している。

これにより、ニッチな顧客ニーズを丁寧に掘り起こし、着実に成果につなげていくことを狙っている。

同社のM&A戦略は"買って終わり"ではなく、"強みを融合し、新たな価値を築く"というコンセプトのもと、技術と営業の両輪でプロダクトの価値を引き上げていく点が特徴である。

この一連の買収により、Arentは建築・設備・土木・インフラなど、建設業界の各専門分野に特化したソフトウェアを統合的に提供する企業グループとしての地位を固めつつある。



WRITTEN by

デジコン編集部

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