ソラリス社。ミミズ型管内走行ロボット「Sooha©」100Aモデルを発売開始。小口径配管内を自立走行し点検と清掃を同時実施

ソラリスは、空気圧人工筋肉を活用したミミズ型管内走行ロボット「Sooha©」100Aモデルの発売を2025年5月より開始した。

中央大学発の生物模倣技術をインフラ点検に応用。空気圧ソフトアクチュエータでミミズの動きを再現し、半導体工場や上下水道管の維持管理を省力化

近年、道路や上下水道など、生活を支えるインフラならびに民間企業が保有する工場内配管などの老朽化が進行している。

これに伴い、人命に関わる事故やライフライン寸断のリスク、インフラの維持およびメンテナンスにかかる労働力不足が社会問題となっている。

また、日本政府が国土強靭化基本計画のなかで、デジタルなどの新技術の活用による施策の高度化を掲げており、データ・デジタル技術を活用した予防保全型インフラメンテナンスへの転換が求められている状況だ。

ソラリスは、中央大学の中村太郎教授が長年にわたって研究してきた生物模倣ロボットを社会実装するために設立された企業である。


同社はコア技術である空気圧で動く人工筋肉（ソフトアクチュエータ）を応用したソフトロボットの開発、提供を行っている。

今回発売された「Sooha©」100Aモデルは、ミミズの移動様式を空気圧人工筋肉の特性を利用して模倣し、小口径配管内の自立走行を実現している。

これまで主に研究開発およびプロトタイプを利用した実証実験（PoC）を半導体業界含む製造業の現場で数多く実施していたが、今回走行性能や実用機能を大幅刷新し、製品化に至った。


本ロボットは民間企業の工場内配管や自治体の上下水道管等を対象としており、配管内の検査や清掃を同時に行うことができる。

これにより、現場の作業効率化、省人化につながることが期待されている。

また、従来人間がアクセスできなかった箇所のリスクを事前検知し、災害事故防止にも貢献できるという。

小口径配管の内部点検は従来、カメラを挿入する方法や配管を切断して確認する方法などが用いられてきたが、いずれも効率性や設備への負担の面で課題があった。