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デジコン編集部 2025.5.8

帝国データバンク調査。借入金利上昇で企業の57.6%が業績悪化を懸念

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  1. 金利1%上昇時には「財務体質改善」27.2%、「価格転嫁」22.5%で対応。企業体質強化と利益率重視の経営戦略へシフト
帝国データバンクは、日銀の金利政策転換を受け、借入金利上昇による企業への影響について全国2万6,674社を対象に調査を実施した。

金利1%上昇時には「財務体質改善」27.2%、「価格転嫁」22.5%で対応。企業体質強化と利益率重視の経営戦略へシフト


調査結果によると、借入金利が上昇した場合、企業の57.6%が業績に「マイナスの影響がある」と回答した。


「プラスの影響がある」は2.5%、「影響はない」は24.9%にとどまり、多くの企業が金利上昇を懸念している状況が明らかになった。

業界別では、不動産業界が71.6%で最も高く、唯一7割を超えた。


次いで運輸・倉庫(68.1%)、製造(62.4%)、小売(61.4%)が6割台で続いている。

マイナスの影響がある企業にその具体的影響を尋ねたところ、「返済負担が増える」が69.2%で最も高かった。

「利益が減る」は50.9%と半数を占め、「資金繰りが厳しくなる」が29.8%となった。



ある建設企業からは「民間設備投資が減る」、機械製造企業からは「土地購入をともなう工場の増設・新設など、長期借入金に大きな悪影響を及ぼす」といった声が寄せられた。

自社事業への対処法については、「事業内容は変えない」が62.2%で最も高かったものの、「利益率の高い事業を拡大する」(15.7%)、「利益率の低い事業を縮小する」(7.5%)など、利益率を重視した経営にシフトする動きも見られる。


今後、借入金利が1%上昇した場合の対策としては、「財務体質を改善する」が27.2%で最も高く、「価格転嫁(値上げ)を行う」(22.5%)、「借入金利を前倒しして返済する」(20.3%)、「金利の引き下げ交渉を行う」(20.1%)が2割台で続いた。

情報サービス企業は「借入金を繰り上げ返済する」、専門サービス企業は「今まで、低金利に慣れすぎているので、これからの金利に対応するよう財務体質を強化する必要がある」と回答している。


「金利のある世界」においては、従来の低金利下で得られた成功体験から意識を切り替える必要があり、価格転嫁など利益を確保する経営を進めることが企業成長のカギとなると分析されている。

調査期間は2025年3月17日~3月31日、有効回答企業数は1万716社(回答率40.2%)だった。




参考・画像元:帝国データバンクプレスリリースより

WRITTEN by

デジコン編集部

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