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デジコン編集部 2025.4.25

石川県・石川県警・KDDI。石川県津幡町でドローンポートの遠隔飛行実証に成功。災害時の被害確認と避難誘導を遠隔操作で実現【動画あり】

CONTENTS
  1. コンビニに設置したドローンポートから4G LTEで遠隔操縦、スピーカー搭載AIドローンが「動く防災無線」として機能
石川県、石川県警察、KDDIは2025年4月21日、石川県河北郡津幡町でドローンポートの社会基盤化に向けた遠隔飛行実証に成功したと発表した。

コンビニに設置したドローンポートから4G LTEで遠隔操縦、スピーカー搭載AIドローンが「動く防災無線」として機能


今回の実証実験は、令和6年奥能登豪雨規模の災害発生を想定し、被害状況の確認と避難誘導、地図上での災害情報の一元化をすべてAIドローンから遠隔で行うものである。


実証は、ローソン津幡みずほ病院前店に設置したドローンポートから、4G LTEによる遠隔操縦でAIドローン「Skydio X10」を豪雨災害の被害現場と見立てた場所まで飛行させる形で実施された。


ドローンはエッジAIによる障害物回避機能を活用しながら現場に到達し、搭載された高精度カメラからリアルタイムで遠隔から現場状況を確認。

さらに、機体側面にアタッチメントとして搭載したスピーカーを活用して「動く防災無線」として機能し、河川付近にいる要避難者に対して避難誘導を実施した。

実証に使用された「Skydio Dock for X10」は自動充電ポート付きドローンで、過酷な自然環境にも耐えられる設計となっており、突発的な災害発生時にも対応可能という特長を持つ。




また、ドローンが現場に急行する過程で撮影した映像は、KDDIが開発中の「防災マップボード」と連携。

撮影画像を地図上に表示して災害時に必要な情報を一元化し、インターネットブラウザがあればどこからでも確認できるようにすることで、県と警察間での効率的な情報共有と、迅速かつ的確な初動対応が可能なことを確認した。

本実証の背景には、令和6年奥能登豪雨の災害対応で明らかになった課題がある。

当時は水位の上昇が早く避難までのリードタイムが取れない、地上から現場に急行するのが難しいといった問題があった。

これに対し、ドローンで空から現場へ急行し、現場の被害状況の把握や早期避難誘導を行うことで、迅速かつ的確な初動対応につなげることが本実証の目的である。


この実証は、地域活性化と能登半島地震からの創造的復興の推進を目的とする「石川県とKDDIの包括連携協定」に基づくもので、平常時と災害などの非常時を区別しない「フェーズフリー」をコンセプトに実施された。

また、石川県、石川県警とKDDIが行う実証の第2弾として位置づけられている。なお、自治体・警察と連携し、ドローンポートの社会基盤化を見据えた4G LTEによるドローンの遠隔飛行実証は、国内初の取り組みとなる。



参考・画像元:KDDI・石川県プレスリリースより
 
WRITTEN by

デジコン編集部

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