ニュース
デジコン編集部 2025.4.24

大林組。可搬型バッテリーでGX建設機械を実証実験。電動クレーンの1日稼働を実現

CONTENTS
  1. 85kWhの携帯可能バッテリーで25t吊りクレーンに給電、休憩時の充電と直接給電で8時間連続稼働を実証
大林組は2025年4月24日、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、建設現場に可搬型バッテリーを導入し、電動移動式クレーンの運用実証実験に成功したと発表した。

85kWhの携帯可能バッテリーで25t吊りクレーンに給電、休憩時の充電と直接給電で8時間連続稼働を実証


大林組は脱炭素化施策の一環としてGX建設機械(環境配慮型建機)の普及促進を進めているが、実用面ではいくつかの課題が存在していた。

大型のGX建設機械は現在のバッテリー容量では終日作業することが難しく、充電スポットへの移動を考慮した運用が必要となる。

さらに、充電に必要な電力が大きいため、建設現場で充電を行う場合には電源設備の増設や充電スペースの確保が必要になるなど、普及に向けた障壁となっていた。

こうした課題を解決するため、同社は首都圏の建設現場において電池容量85.24kWhの可搬型バッテリーを導入し、25t吊りの電動移動式クレーンの充電・給電方法を検証する実証実験を実施した。

今回導入された可搬型バッテリーは、運搬・設置が容易かつ迅速にできるため、稼働中のクレーンの近くに設置することが可能である。

これにより、充電のたびに建機を移動させる必要がなくなり、作業効率の大幅な向上が見込まれる。

実験では、クレーンの作業休憩時にバッテリーを充電したり、可搬型バッテリーから直接給電して建機を稼働させたりすることで、1日8時間のクレーン作業を実施できることが確認された。

可搬型バッテリーの充電は、工事現場の電気使用量が少ない夜間などの時間帯に行うことができる。

あるいは、工事現場外の拠点で充電したバッテリーと、容量の少なくなったバッテリーを入れ替えることで、建設現場の電源設備に左右されない電力供給体制を整えることも可能である。

大林組は、敷地内で充電や給電設備の確保が困難な建設現場にこうした可搬型バッテリーの導入を進め、GX建設機械の普及環境を整える方針である。





参考・画像元:大林組プレスリリースより
 
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。