Liberaware。下水道内でGPS不要の小型ドローン位置測定技術を実証。新通信方式で地下インフラ点検を効率化

Liberawareは2025年4月11日、神戸市の協力のもと、TKKワークスと共同で下水道管内での小型ドローンを活用した距離計測技術の実証実験に成功したと発表した。

GPS圏外の地下空間で挿入地点からの距離を正確に把握、道路陥没事故を受けた技術改良

本実証実験は、下水道管路内の点検において、ドローン挿入地点と対象物との距離を測定し、より詳細な管内状況の把握を目指すものである。

実験の背景には、2025年1月に発生した埼玉県八潮市の道路陥没事故がある。

この事故では、Liberawareが開発した狭小空間点検ドローン「IBIS2」が活用され、事故発生以降調査困難だった下水管の内部調査を実施し、調査当日にキャビン（空洞）らしきものを発見することに成功した。

下水道管路内の調査では、ドローン挿入地点と対象物との距離が重要な情報となるが、地下空間ではGPS信号が届かないため、従来の位置測定技術が使用できないという課題があった。


今回の実証実験では、IBIS2への応用が検討されている新しい通信モジュールおよびその他の測定方法を用いて、GPS信号に依存しない距離計測が可能であることを確認した。

実験は2025年3月28日に兵庫県神戸市のトンネル内で実施され、OMデジタルソリューションズのカメラ機器「OM SYSTEM OM-1 Mark II」や超望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS」などの機材も活用された。

この技術が実用化されれば、下水道などの地下インフラ点検において、異常箇所の正確な位置特定が容易になり、効率的な補修計画の策定や緊急時の対応力向上に貢献することが期待される。