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デジコン編集部 2025.4.18

三和建設。熱中症対策「ゼネコンがつくったしおゼリー」の生産を1.9倍に拡大。今年度は150万本販売へ

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  1. 建設現場での自社使用から始まり定款に「菓子の販売」を追加、累計180万本の人気商品へ成長
三和建設は2025年4月17日、熱中症予防用の塩分補給ゼリー「ゼネコンがつくったしおゼリー」を4月21日から販売開始すると発表した。

今年度の生産計画は前年比約1.9倍の150万本となる。

建設現場での自社使用から始まり定款に「菓子の販売」を追加、累計180万本の人気商品へ成長


日本気象協会の予報によると、2025年は梅雨明けが例年より早く、その後全国的に猛暑となる見込みで、建設現場で働く人々の熱中症対策がより重要となっている。

厚生労働省の統計では、建設業における熱中症による死傷者は2020年から2024年の5年間で949人、うち死亡者は52人と、業種別で最多となっている。


気温上昇が続く中、建設業界において熱中症対策は喫緊の課題であり、同社はその対策として「ゼネコンがつくったしおゼリー」を開発した。

このしおゼリーは2020年、当初は三和建設の自社現場向け熱中症対策アイテムとして開発されたものだった。

しかし、メディア掲載をきっかけに他の建設会社からの問い合わせが相次ぎ、「建設業から熱中症をなくす」という開発責任者の想いを実現するため、社外販売へと踏み切った。

1947年創業の中堅建設業である三和建設は、それまでBtoB事業が中心で、1本10gの小さなゼリーを販売するノウハウを持っていなかった。

生活者の購入経路や食品表示法、薬機法など、これまで関わりのなかった分野での事業展開は全てが手探りの状態だった。

広報・マーケティング担当者は包装デザイン9種、ネーミング8種を提案し、社内協議を重ねた結果、2021年4月に創業以来初めて定款に「菓子の販売」を追加し、ECサイトでの販売を開始した。

発売から5年間で累計180万本を売り上げ、当初の建設業界向けから一般家庭やスポーツ現場など、幅広い層に支持される商品へと成長している。

顧客からは「学生の試合や合宿で使用し、熱中症が出なくなった」「糖尿病のため糖類の多い塩分補給ゼリーは食べられなかったが、このゼリーは糖質が少ないので食べられる」などの声が寄せられている。

今年からはGMP認定工場へと生産拠点を移したことで、品質管理の向上と安定供給体制が構築され、昨年発生した夏場の品切れも解消される見込みである。

三和建設は創業78年の老舗企業でありながら、社員の声を大切にし新たな挑戦を受け入れる企業風土を持ち、今後も建設業の枠を超えて、暑さの中で働く人々を熱中症から守る啓発活動を続けていく方針だ。

「ゼネコンがつくったしおゼリー」は1キログラム5,400円(税込)で、BCAA、マルチビタミン、マルチミネラル、茶花エキスを配合し、賞味期限は18ヶ月となっている。







WRITTEN by

デジコン編集部

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