GRIFFY。カシオ計算機と共同開発した仮想標識システム「バーチャサイン」を提供開始。トンネル工事の安全性向上へ

GRIFFYは2025年4月16日、カシオ計算機との共同開発による仮想標識表示システム「バーチャサイン」の提供を開始したと発表した。

高輝度光源で視認性の高い標識を壁面に投影、クラウド経由で遠隔操作も可能

「バーチャサイン」は、トンネル工事や夜間工事現場において視認性に優れた仮想標識を投影するシステムである。

現場事務所などでクラウド上に標識を事前設定しておくと、本体機器に搭載された高輝度光源から設定された標識を明るく鮮明に投影することができる。



この技術により、現場作業員への制限事項の周知や注意喚起を効果的に行うことが可能となり、工事現場の安全管理向上に貢献する。

システムの大きな特徴は、表示内容をクラウド経由で遠隔変更できる点で、物理的な標識の設置や交換の手間を削減し、現場の省力化にも繋がる。

通信機能については、本体機器に搭載された通信端末を通じて、LTE回線、有線LAN、Wi-Fiのいずれかを選択して接続できる仕様となっている。



また、現場に設置したセンサー情報や監視カメラの映像をクラウド経由で投影する機能も備えている。

本製品の開発において、カシオ計算機は組込専用プロジェクションモジュール「LH-200」の提供だけでなく、耐久性確保のための技術支援も行った。

両社は保護筐体の開発・設計を共同で行い、建設現場の厳しい環境にも耐える環境性能を持つ製品化を実現している。

提供開始に先立ち、2024年3月から2025年3月にかけて建設中のトンネル坑内で実証実験が行われた。

実験では、トンネル工事でも使用できる防塵性能を有すること、車両通行の邪魔にならない場所から8m程離れた壁面に鮮明な標識表示が行えること、さらに斜め方向からの投影でも接近する車両から標識を認識できることが確認された。