トプコン。CEOによるMBO実施でKKRとJICキャピタルが資本参画

トプコンは、代表取締役社長CEO江藤隆志によるマネジメント・バイアウト（MBO）を実施すると発表した。

世界的投資会社KKRと産業革新投資機構（JIC）の子会社JICキャピタルが資本参画し、KKRが運用するファンド傘下のTK株式会社を通じて公開買付けを実施する。

株価に105%超のプレミアム付与、非上場化で大胆な投資と組織改革を加速

公開買付けにおける株式の買付価格は1株3,300円に設定された。

これは2024年12月9日までの6か月間の株価終値単純平均値に対して105.2%のプレミアムを付した価格となっている。

また、同12か月間の株価終値単純平均値に対しても99.5%のプレミアムとなり、既存株主に対して大幅な価格上乗せを実現している。

トプコンの取締役会は、この公開買付けに対する賛同表明と応募推奨を決議している。

KKRは公開買付けにかかる資金を主としてKKRアジア4号ファンドから拠出し、間接的にトプコンの過半数持分を取得する予定である。

公開買付け後、JICキャピタルはJIC PEファンド1号投資事業有限責任組合などを通じて間接的にトプコンの議決権を保有する。

トプコン代表取締役社長CEOも公開買付けに応募した後、再出資する方針だが、その詳細はまだ未定となっている。

MBO実施の背景として、トプコンは創業100周年を迎える2032年に向けた長期ビジョン実現を掲げている。

現在は2023年度を初年度とする3ヵ年の「中期経営計画2025」を推進しており、顧客指向の深化による各事業の持続的成長と収益性向上を追求してきた。

しかし次のステップとして、"新生Topcon 2.0"と称する事業体制への進化を目指している。

特にアイケア事業では従来のハードウェア主体のビジネスからソリューションビジネスへの転換を図り、競争環境が激変するポジショニング事業においては構造改革による収益力強化を目指している。

トプコンは、あらゆる選択肢を評価した結果、KKRおよびJICキャピタルとの戦略的パートナーシップによるMBOが長期的な目標達成のための最良の道であると判断した。

同社の強みは、日本のモノづくりに基づいた優れたハードウェア製品の設計・製造力と、米国市場を中心に急速に発展するソリューションビジネスを組み合わせた独自のビジネス創造力にある。

非上場化により、より大胆な投資や戦略上の取り組みを加速させるための機動的な意思決定が可能になると見込んでいる。

また、トプコンは宇宙・防衛事業においても最先端の光学技術を応用した製品を開発・製造しており、JICキャピタルの出資により、長期的視点での同事業の発展と価値向上にも取り組んでいく方針だ。