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デジコン編集部 2025.3.27

安藤ハザマが遠隔操作移動式コンベヤを開発。山岳トンネル掘削作業の無人化に向け前

CONTENTS
  1. タッチパネル式操作と安全機能を備えた新型コンベヤがトンネル掘削の進捗に合わせて柔軟に対応し危険作業の省人化を実現
安藤ハザマは、山岳トンネル工事の生産性を高める「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATMアイナトム®)」の一環として、リョーキと共同で「遠隔操作移動式コンベヤ」を開発したと発表した。

タッチパネル式操作と安全機能を備えた新型コンベヤがトンネル掘削の進捗に合わせて柔軟に対応し危険作業の省人化を実現


山岳トンネル工事において切羽作業は最も危険な作業であり、また作業の多くが粉じんを伴うことから健康被害も懸念されている。

この課題に対応するため、安藤ハザマは山岳トンネルの掘削からズリ出し(掘削土砂の搬出)に至る工程の無人化を目指している。

山岳トンネルのズリ出し手法の一つである連続ベルトコンベヤ工法では、切羽で発生したズリをホイールローダにより移動式クラッシャーへ投入する方法を採用している。


〈遠隔操作移動式コンベヤを組み合わせて無人化を実現したイメージ図 (左から「日々延伸テールピース台車」「移動式クラッシャー」「遠隔操作移動式コンベヤ」「積込み機能付きAI-ロードヘッダ」)〉

同社は以前から移動式クラッシャーの遠隔操作システムの導入や、機械掘削工法での「積込み機能付きAI-ロードヘッダ」、連続ベルトコンベヤの延伸作業を効率化する「日々延伸テールピース台車」などを開発してきた。

(ホイールローダによるズリ投入状況)(遠隔操作移動式コンベヤ)

今回開発された「遠隔操作移動式コンベヤ」は、これらの技術と組み合わせることで、山岳トンネルの掘削工程の無人化をさらに進める重要な役割を担っている。

山岳トンネルでは掘削の進捗に伴い連続ベルトコンベヤが切羽から離れていく課題があるが、日々延伸テールピース台車の導入により、連続ベルトコンベヤは切羽に近い位置を保つことが可能になった。

さらに、1日の中での距離の変化を今回開発した遠隔操作移動式コンベヤにより調整対応する仕組みだ。


このコンベヤの特長として、タッチパネル式の遠隔操作装置により、現場詰所など快適な環境での運転が可能になっている点が挙げられる。

また、周囲確認用カメラおよび衝突防止用ミリ波レーダーを装備しており、安全な作業を実現する仕様となっている。

さらに、トンネル掘削の進捗に応じたズリ受け入れを容易にする大型ホッパーを備えていることも特徴だ。

三井三池製作所の試験ヤードと安藤ハザマで施工中の山岳トンネル現場坑内における実証試験では、遠隔操作移動式コンベヤを使用することで各種建設機械の適切な移動と、掘削ズリのスムーズな受け渡しが可能であることが確認された。



WRITTEN by

デジコン編集部

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