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デジコン編集部 2025.3.22

ゼンリンミュージアム所蔵の「伊能忠敬測量図」が重要文化財に指定。初の指定は伊能小図の副本と判明した3鋪

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  1. 2020年に寄贈された伊能小図の副本が日本地図学の貴重な文化財として認定
ゼンリンミュージアム(福岡県北九州市)が所蔵する「伊能忠敬測量図(実測輿地図)」3鋪が、2025年3月21日に開催された文化審議会で重要文化財に指定されたと発表された。

2020年に寄贈された伊能小図の副本が日本地図学の貴重な文化財として認定


今回重要文化財に指定された「実測輿地図」は、2020年6月にゼンリンミュージアムに寄贈されたもので、蝦夷地・東日本・西日本の3鋪に分かれている。

日本地図学会による調査により、この地図は伊能忠敬が製作した「大日本沿海輿地全図」(通称:伊能小図)の副本であることが判明している。

副本とは、幕府に上呈された正本に準じて製作された地図のことで、地図を複製する際にできた針孔や白径の痕が見られるという特徴がある。

伊能忠敬は江戸時代後期に日本全国を実際に歩いて測量し、初めて科学的な測量に基づいた日本地図を作成した人物として知られている。

彼が作成した大日本沿海輿地全図は、それまでの想像や伝聞に基づく地図とは異なり、正確な実測データを元に描かれた画期的な地図であった。


ゼンリンミュージアムにとって、今回の重要文化財指定は初めてのことであり、同館が所蔵する貴重な地図資料の文化的・歴史的価値が公的に認められた形となる。

なお、この実測輿地図は2025年4月19日から5月11日まで、京都府京都文化博物館の「新指定国宝・重要文化財展」にて1鋪(東日本)が一般公開される予定だ。

保全のため、ゼンリンミュージアム自体では原本の展示予定はなく、同館の常設展示第2章において実測輿地図の複製が展示されている。

ゼンリンミュージアムは、16世紀から19世紀に描かれた世界地図や、伊能図が日本に与えた影響、近代から現代にかけての様々な表現の地図などを紹介する専門博物館である。



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デジコン編集部

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