ARAVと三井住友海上が建機自動化の専用保険を開発。「事故補償パック for RX」を4月から提供開始

建設機械の遠隔操作・自動運転ソリューションを提供するARAV株式会社は、三井住友海上火災保険株式会社と共同で、建設機械自動化専用の保険「事故補償パック for RX」を開発し、2025年4月より提供開始すると発表した。

建設業の深刻な人手不足に対応する機械自動化の普及を後押し、安全・安心な導入をリスク補償面からサポート

建設業界では生産年齢人口の減少が深刻な課題となっており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2040年度には2020年度比で約20%減少すると予測されている。

また災害の激甚化・頻発化も相まって、業界全体の生産性向上が急務となっている。

DXの進展により業務形態の変革が進む一方で、現場作業そのものを省人化などによって生産性を向上させる取り組みはまだ十分に普及していない状況にある。

この背景には、工事会社がロボティクスを活用した現場作業の遠隔化・自動化の導入に対して、事故リスクアセスメントや事故時の対応、事故補償などの懸念を十分に払拭できていないという現状がある。

こうした懸念を解消し、建設機械の自動化をより安全・安心に推進するために、ARAVは三井住友海上と共同で、建設機械自動化システムにおける対人・対物事故に備える賠償責任保険を開発した。

「事故補償パック for RX」は、ARAV建機自動化システムを後付けした建設機械の自動作業時に、操作ミスや設定の誤りなどが原因で第三者に身体障害・財物損壊を与えた場合に生じる法律上の損害賠償責任を補償する制度である。

ただし、著しく不当と判断される請求については、保険金が支払われない場合があるという。

ARAVが提供する「ARAV 建機 RXシステム」は、電子制御式の油圧ショベルに後付けすることで作業を自動化できるロボティクス トランスフォーメーション（RX）システムである。

このシステムにより、従来は人力で行っていた掘削・排土作業や、プラント・リサイクル施設などでの投入作業などを自動化し、設定に応じて指定した作業を実行することが可能となる。

専用の保険と組み合わせることで、建設機械の自動化導入に関する現場の懸念を解消し、安心して技術革新に取り組める環境を整備する狙いがある。