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デジコン編集部 2025.3.5

アクティオと前田製作所が新型「巻き上げワイヤー破断防止装置」を開発。クローラークレーンのレンタルを開始

CONTENTS
  1. 超音波センサーで二重の安全システムを実現、過巻き防止装置が解除された状況でも事故を防止
アクティオと前田製作所は、クレーン作業時のワイヤー破断事故を防止するための新型「巻き上げワイヤー破断防止装置」を開発し、装置を搭載したクローラークレーンのレンタルを2025年2月13日より開始した。

超音波センサーで二重の安全システムを実現、過巻き防止装置が解除された状況でも事故を防止


クレーン作業における重大事故の一つに、ブームの伸縮によるワイヤーの過巻きとそれに伴う破断がある。

この種の事故は、特に地下鉄工事などの上方向スペースが限られた環境で、作業性を優先するために既存の過巻き防止装置を解除して使用している場合に多く発生している。

今回開発された「巻き上げワイヤー破断防止装置」は、従来の過巻き防止装置とは別に、超音波センサーを使用してブーム先端にフックが接近するのを検知し、ブーム操作を自動停止させる仕組みとなっている。


具体的には、ブーム先端の右側面に3個の超音波センサーを設置し、既存の過巻き防止装置とは独立してフックの接近を検出する。

既存の過巻き検出器はブーム先端から400mmの距離でフックを検知するが、今回の超音波センサーはより手前の350mmの距離で検知する設計となっている。

通常の作業では既存の過巻き検出器が先にフック接近を感知してブーム操作を停止するが、過巻き検出器が作動しない、あるいは解除されている場合でも、超音波センサーが作動してブームやウインチの操作を停止させる。

これにより従来の過巻き防止装置と今回開発のワイヤー破断防止装置の二重の安全システムが構築され、クレーン作業の事故防止に大きく貢献する。

また、超音波センサーの検出距離は30〜1000mmの間で調整可能であり、作業環境に応じた柔軟な設定が可能となっている。

アクティオでは、この装置を搭載したクローラークレーン(対応機種:CC1485S-1、CC1485S-3、CC985S-3)のレンタルを開始しており、特に限られたスペースでのクレーン作業において、作業効率と安全性を両立させる解決策として注目されている。



参考・画像元:アクティオプレスリリースより
WRITTEN by

デジコン編集部

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